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2019年12月8日

茶の花(ちゃのはな)

 生家の裏手の山をちょっと登ったところに、ごうしんさんと呼ばれる小さなお宮さんがあった。母は庚申さんと書いていた。近所の人たちは、何か珍しいものが手に入ると、とことこと坂を上って供え、小さなローソクを灯して手を合わせた。ローソクは常備されていた。
 その登り口に、毎年いま頃になると茶の花が咲いた。白いほわんとした五枚の花弁が、黄色い雌蕊をしっかり抱きかかえて、鼻を寄せるといい香りがした。
 私はまだ小学校へ上がる前、祖母と手をつないでよくそこを通った。いまも茶の花を見ると、祖母のがさがさに荒れた大きな掌を思い出す。背中が痒いとき、その掌で撫でてもらうと、とてもいい気持ちだった。
  (中原幸子、「船団の会」会務補助、e船団担当)

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