2018年5月21日号(e船団書評委員会)

舩井春奈の推す2冊

船団の会編
『船団の俳句』

 この俳句って船団的ね。船団ってどんな俳句?とは時々耳にする言葉。船団、船団ってひとくくりでいうけどね、何もどれもが船団的というわけではないのよ、とは私がよく返すことば。このたび、私たち船団に拠る者たちが、たとえばどんな俳句を作っているのかを知れる本。船団でない人も船団会員も楽しみながら読んでほしい一冊。

本の画象

本阿弥書店(1700円+税)
2018年3月刊
瀬尾まなほ著
『おちゃめに100歳!
 寂聴さん』


 徳島の作家といえば瀬戸内寂聴さん。かつて帰郷時での寂聴さんの料理係に推薦されたものの断った。拒否すれば逆に気になってくる。今、彼女の秘書が注目されている。年齢差は66歳。試しに目を通せば、2人の素のやり取りが楽しくて。そして年を経た今の私は、寂聴さんのことばも小説も分かる。なんだ私、未熟なだけだった。

本の画象

光文社(1300円+税)
2017年11月刊

松永みよこの推す2冊

林 望著
『すらすら読める風姿花伝』

 結論―「風姿花伝」はすらすら読めません!(キッパリ)私にとって世阿弥は謎めいた魅力に満ち、心をかきたてる人物だ。自分の理解を越えるとわかっていても惹きつけられる刃のような言葉が、世阿弥三十代の時のものと知り驚いた。読後は姿勢を正し、自分を客観視できるようになった気がするけれど…多分気のせいだろうな。

本の画象

講談社(750円+税)
2018年3月刊
天童荒太著
『ペインレス』(上・下)

 人の心に寄り添う作品で知られた天童荒太が新たに生み出した、痛みを知らないヒロイン(美貌と知性で全男性の運命を狂わす)の魅力に最後まで酔えなかったのは、同性の厳しい目線からか、知らず知らずのうちにとらわれている倫理観からなのか。私はヒロインに唾棄されても、思いきり傷つき、人と痛みを感じあって生きたい。

本の画象  本の画象

新潮社(1500円+税)
2018年4月刊

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