2020年6月1日号(e船団書評委員会)

赤石 忍の推す1冊


「猫街」の会編
「NECOMACHI−猫街」

本の画象

 このブックレビューも何年やっているでしょうか。バックナンバーに残る2006年後半部にはすでに名前がありますので、15年ほどは書評をしていたことになります。しかし毎回、〆切が近づきますと書店に駆け込み、めぼしいものはないかと、いつも探し回っていたような気がいたします。それも今回で無事、私の担当は終了。ほっとしたような、寂しいような、何か妙な気持ちになるのも事実です。
 最終ということで少々わがままを。今回は書評というより同人誌の紹介になります。
 「船団の会」散在を受け、東京船団の有志が中心となって、小さな同人誌を刊行することになりました。誌名は『猫街』。萩原朔太郎の影響は少しもないとも言い切れませんが、当初、集まった喫茶店が「KOUJIMACHI」。それが一番かもしれません。「これほど統一感のない同人誌も珍しい」という方もいますが、できるだけ長く続くことができればと願っています。本誌につきまして何かございましたら、三宅やよいさんまで。それでは最後に、私から皆様への惜別の句を。芳野ヒロユキさんの模倣ではありますが、「夏の朝 ピッパパッセス オレもパッセス」。

猫町の会(非売品)
2020年5月刊


田中俊弥の推す2冊

角川文化振興財団編
「俳句」2020年6月号(Kindle版)

 本書には、特集として「教養としての〈文人俳句〉」が組まれ、その総論に高橋睦郎の「文人俳句再見」、各論には尾崎紅葉、芥川龍之介、永井荷風、横光利一、三好達治の句が論評されている。文人といえば、石川淳が想起されるが、ユマニスト・渡辺一夫の存在を忘れるわけにはいかない。文人の総合性や美意識におもいを致したい。

本の画象

角川文化振興財団(748円・税込)
2020年5月刊
黒沼真由美著/館博監修
マンガで読む
『発酵の世界』

 新型コロナウイルス感染拡大にともなう今般の世情に鑑み、ひしとおもうのは、「科学的リテラシー」の生活化ということ。詳細は、文部科学省のサイトにもあるが、「自然界及び人間の活動によって起こる自然界の変化について理解し、意思決定するために」に必要な能力を訓練する手始めとして、まずは楽しく発酵の世界を学びたい。

本の画象

緑書房(1800円+税)
2020年2月刊


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