俳句 e船団 週刊ブックレビュー

2010年 3月 8日号(e船団書評委員会)

木村和也の推す2冊


筑紫磐井・対馬康子・高山れおな 編
セレクション俳人 プラス
『新撰21』

 18歳の越智友亮はじめ、佐藤文香、冨田拓也など21人の若い俳人のアンソロジー。一作家につき100句を収録する。21世紀にちなんだ「新撰21」の題名にふさわしく、とびきりの新人達の現代俳句が一望できる。巻末に付いている小澤実らの合評座談会も面白い。

本の画象

邑書林(1800円+税)
2010年1月刊
柳澤桂子著
『われわれはなぜ死ぬのか』
―死の生命科学

 服喪の期間は死体の腐敗解体の時間に照応する、などどきっとする知見が散りばめられているが、これは生物学者が書いた純粋科学の本である。死は生命の歴史の中でどのようにして起こってきたのか。生命誕生の三十六億年前に遡って、死の発生と進化を探る。読後に宗教的啓示を得る人があるかもしれない。

本の画象

ちくま文庫(760円+税)
2009年12月刊


三好万美の推す2冊


渥美清句集
『赤とんぼ』

 私生活を明かさないことで知られていた渥美清の、唯一の趣味ともいえるのが俳句だった。俳号は「風天」。昭和48年から平成8年までの俳句が、参加した句会別に  収められている。有季定型、自由律、どの俳句にもどことなく哀愁や虚無感が漂う。「寅さん」の顔とは別の、彼の人生の断片が詩情ある作品の中に詰まっている。

本の画象

本阿弥書店(定価1500円+税)
2009年10月刊
中村阿昼句集
『でこぽん』

 著者は「童子」「いつき組」で活躍中の松山在住の俳人。軽快でユーモアがある中にも、作者の視線がしっかりと感じられる写生句や、季語の実感を大事にした句が並ぶ。
 自身の子供を詠んだ句も多いが、情に流されることなく、あるがままをあたたかく詠んでいる。

本の画象

マルコボ・コム(1800円・税込)
2009年11月刊

[e船団・週刊ブックレビュー]バックナンバー



ねんてんの今日の一句 俳句時評 今週の季語 ブックレビュー クリニック ことばを探る
トップページ 記事検索 バックナンバー 本屋さん お便り お知らせ