2018年4月16日号(e船団書評委員会)

紀本直美の推す2冊

ウィンズロー・テューダー/著
ターシャ・テューダー/レシピ考案・絵
食野雅子/訳
『ターシャ・テューダーの
 ファミリー・レシピ』


 絵本作家のターシャ・チューダーの実際に作っていたレシピ本です。レシピ本ですが、絵本をみているみたい。「これは私のやり方。よかったら取り入れて。あとは自分流に工夫して」というターシャの言葉はレシピだけでなく生き方にも通じます。

本の画象

主婦と生活社(3500円+税)
2017年10月刊
グスティ/作・絵
宇野和美/訳
『マルコとパパ』
ダウン症のあるむすこと ぼくのスケッチブック

 ダウン症の息子との日常。「『うけいれる』とはさしだされたものを、じぶんからよろこんでうけとることだ」とあり、考えさせられます。そのダウン症は出産前に検査でわかる時代に…。考えれば考えるほど答えがでない生命の本です。

本の画象

偕成社(2800円+税)
2018年2月刊

武馬久仁裕の推す2冊

武藤紀子著
シリーズ自句自解Uベスト100
『武藤紀子』

 自解にある、師、宇佐美魚目が著者の「鳥の目に少年細し冬干潟」を「鳥の目に少年消えし冬干潟」と添削した話は味わい深い。「最後に魚目先生にお会いした時、珍しくその場で添削して下さった一句」とある。「細し」より「消えし」がなぜよいか、自分なりの答えを持ちながらも、「まだ自分の力ではわからない」と結ぶ著者の志を、私は好ましく思う。

本の画象

ふらんす堂(1500円+税)
2018年1月刊
河内春人著
『倭の五王』
―王位継承と五世紀の東アジア―

 倭の五王といえば、高校時代に習った長たらしい官爵を思い出す。例えば五王の最後の武の官爵は、478年、宋から任命された使持節・都督倭新羅任那加羅秦韓慕韓六国諸軍事・安東大将軍・倭王であった。私には、国内向けの実体のないこけ脅しの官爵に思えた。しかし、当時の世界情勢の中で深い意味があったのである。五王の貰った官爵の意味が知りたい方必読である。

本の画象

中公新書(860円+税)
2018年1月刊

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