2018年7月16日号(e船団書評委員会)

松永みよこの推す2冊

俵 万智訳
『みだれ髪』(新装版)

 発見。俵万智は歌人であると同時にカウンセラーそしてイタコなのです。本作には、「晶子短歌をそのまま受けとめたい」という包容力と細やかな心遣いが溢れていて、アンチ「サラダ記念日」だった私はこっちの万智さんが大好きになりました。……にしても晶子の歌はまだわからないことだらけ、熱を帯びた感触が残るばかりです。

本の画象

河出書房新社(1600円+税)
2018年5月刊
田中 聡著
『北斎川柳』
五七五で描いた北斎漫画の世界』

 もう!どうしてそんなに下ネタのオンパレードなの〜と叫びたくなる画狂北斎の川柳。 でも、下品なものの中に本質が宿るのはなぜなのだろう。(きれいはきたない きたないはきれい)「マクベス」の魔女のセリフを思い起こし、不思議な温かさに包まれた。私が好きな句、「泥水で白くそだてたあひるの子 卍(北斎の俳号)

本の画象

河出書房新社(1800円+税)
2018年3月刊


田中俊弥の推す1冊


坪内稔典監修・佛教大学編
小学生のための 俳句入門』
君もあなたもハイキング(俳句の王さま)

本の画象

 本書は、佛教大学小学生俳句大賞10周年を記念して編纂された俳句入門書。第 一章には、喜びや発見に満ちた子どもの俳句がずらり並んでいるし、選者・山本 純子さんの詩人ならではの、みずみずしい選評も楽しい。また、第二章・坪内稔 典先生の俳句教室「俳句づくりって楽しいよ」には、俳句は、「ことばを絵の具 のように使って風景を描いたものです。そしてそのできあがったかたち(風景) が作者の感動です。感動はつくった結果として現れるのです。」「五七五の表現 は、心をゆさぶるとてもかんたんなことばの装置、あるいはしかけです」、「季 語を手がかりにしてつくると、俳句づくりがとてもやさしくなります。」との指 摘は、特筆に値すべき指南である。

くもん出版(1500円+税)
2018年4月刊

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