2018年9月17日号(e船団書評委員会)

紀本直美の推す2冊

ザ・キャビンカンパニー作
『あかんぼっかん』

 「あかんぼっかん」というタイトルとインパクトのある表紙の絵で思わず手に取りました! 迫力のあるイラストが、これでもかこれでもかとでてきます。大人も楽しめますが、子どもがどんな意味を感じとるのか、とても興味がある一冊です。

本の画象

偕成社(1500円+税)
2018年5月刊
長嶋祐成作
『きりみ』

 石垣島で活動をされている漁夫画家・長嶋祐成さんの絵本。さけのきりみ、うなぎのかばやき、ひらめのさしみ、まぐろのにぎり、さばのみそに…。のイラストの次に、さばかれた状態の魚のイラストが! 図鑑の入り口になるのかな?

本の画象

河出書房新社(1350円+税)
2018年7月刊

武馬久仁裕の推す2冊

足立悦郎著
『みなんごあんの春』

 小説の主人公、尾崎放哉は自由律俳句を極めようとして、ひたすら自分を死へと導く。だから、彼の見る月は、俳人の読者にとっては、配所の月(歌人が憧れた、流刑地で見る月)である。須磨寺の堂守りの時には「こんなよい月を一人で見て寝る」。終の住処、小豆島の南郷庵(みなんごあん)の庵主の時には「なんと丸い月が出たよ窓」。くれぐれも放哉に魅入られないように。

本の画象

新日本海新聞社(1000円+税)
2018年7月刊
赤野四羽句集著
『夜蟻』

 赤野四羽の句には批評性がある。銀色に光る美しい秋刀魚は、炙られてその記憶は破壊される。「炙られて記憶の爆ぜる秋刀魚かな」可憐な菜の花は、理不尽にも街頭で辱められる。「菜の花ややめてください街頭で」そして、人間は、寒々と逆さにつるされた葱を同志として、静かに、しかし深く怒るのである。「葱つるししろき怒りを分かちあう」。

本の画象

邑書林(2000円+税)
2018年7月刊

[e船団・週刊ブックレビュー]バックナンバー


トップへ戻る