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投句締切担当ドクター十句発表
   終了  久留島元  11月22日
 11月19日谷さやん  11月29日
 11月26日星野早苗  12月 6日
 12月 3日須山つとむ  12月13日
 12月10日秋月祐一  12月20日
 12月17日山本たくや  12月27日
 12月24日内野聖子   1月 3日
 12月31日中居由美   1月10日
  1月 7日久留島元   1月17日
  1月14日谷さやん   1月24日
  1月21日星野早苗   1月31日

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2017年11月15日

中居由美ドクター : 今週の十句  (到着順)

【はじめに】

 この秋、例年になく柿をたくさん食べました。正岡子規の影響か、ネンテン先生の影響か・・・。いえいえ、そうではありません。
 10月にやってきた台風21号は、松山を直撃しなかったものの、強い雨風をもたらしました。道路には、どこかの波板が飛んできていたり、ゴミ箱の蓋が転がっていたり。そばにある柿畑の葉は吹き飛ばされて、庭や道路にまで飛んできました。
 台風が去った後、近所の人たちと片付けをしたのですが、翌日、柿畑の持ち主から柿が届けられたのです。思いがけない台風の置き土産となりました。

【十句選】

押し車大地踏みしめ冬ぬくし   まゆみ
 押し車は、高齢者を中心に買い物や散歩に大活躍しているようだ。もっとも使っているのは、ほとんどが女性だが・・・。中に荷物は入るし、疲れたら椅子替わりに座ることもできる。押す人も押される車も大地を踏みしめる。その確かさは生きている確かさだろう。

そこだけに銀の風吹くむら芒   たいぞう
 芒原で芒がいっせいに揺れている風景は圧巻だ。「そこだけに」と場所を特定したことで、ちょっとした謎が生まれた。場面が展開する期待感が膨らむ。

晩秋やカーテンたくさん洗はれて   意思
 晩秋の一日、カーテンなどの大物を洗うのは、年末に備えてのことだろう。あちらこちらの家に、様々な色合いのカーテンが干されている。普段は、家の中に吊されているものが、外に吊されるという違和感が面白い。

鴨の群れみんなで揺れているところ   せいち
 一読後、鴨の群れが池に浮かんでいるところを想像した。そしてあれっ?と思った。一言も池とは言っていないのだ。「みんなで揺れている」という表現が、読みの可能性を広げた。

山頭火のぶ厚い眼鏡山眠る   けむり
 山頭火といえば、あの丸眼鏡を思う。ずいぶん分厚い眼鏡だ。冬の静けさの中を、一歩、一歩、土を踏みしめて歩く。聞こえるのは己の足音のみだったかもしれない。分厚い眼鏡が見たものは、なんだったのだろう。

三分ともたぬ面接小鳥来る   幸久
 面接官の句か、あるいは就活の学生の句か。いずれにしても、この面接の結果は想像がつく。残念な面接にもかかわらず、不思議な明るさの漂う句だ。

団栗は転がり鉛筆は止まる   岡野直樹
 団栗のありよう、鉛筆のありようは、こうだよと断定することで説得力を生んでいる。鉛筆は木から出来ているから、団栗に近い気もするが・・・。自然のままの団栗は転がり、人工の鉛筆は止まる。シンプルだがどことなく謎めく。

けふひとつ嘘をつきたり石蕗の花   をがはまなぶ
 石蕗の花は素朴な花である。おそらくこの嘘は、どうでもいいような、小さな嘘だと思う。しかし石蕗の花の前では、その嘘が許せないのかも。

歳時記を置かぬ書店や文化の日   鷲津誠次
  最近の書店は、漫画や雑誌におされ気味。歳時記など置いていない書店も増えてきている。そんな事に気づくのも文化の日だからこそ。俳句を作っても作らなくても、歳時記は読み物として面白いと思うのだが。

朗読の次のページにことりくる   紅緒
 楽しそうな朗読の声が聞こえてきそうだ。本の内容もきっとワクワクするものだろう。小鳥のさえずり、色鳥の愛らしさなど秋ならではの華やぎがある。


2017年11月8日

内野聖子ドクター : 今週の十句  (到着順)

【はじめに】

 11月になって急にぐっと冷え込んできたような気がします。もうすぐ美しい紅葉が見られると思うと楽しみです。数年前に夜桜ならぬ夜紅葉を見に行って、その何とも言えない風情に感動しました。今年もできれば見に行きたいと思っています。

【十句選】

紅葉散りふわりふわりと山を跳ね   いつせつ
 散った落ち葉がじゅうたんのようになっているんですね。秋の山歩きの楽しさが「ふわりふわり」に表れています。

特売品すでに売り切れ菊びより   ポンタロウ
 天気がいいから買い物客の出足も早いんでしょうね。のどかな日常を感じさせる句です。

ポストまで歩いて五分秋深む   けむり
 わずか5分の間に秋の深まりを感じるられるのは幸せだと思います。特に最近急に気温が下がってきたので実感がありますね。

団栗の海蹴散らして砕氷船   二百年
 子供が元気に遊んでいる情景が目に浮かびます。元子供でももちろんOK。

湯豆腐のごとき齢となりにけり   今村征一
 しみじみとした句です。「湯豆腐のごとき齢」とは一体何歳くらいなのか、人それぞれの受け取り方はあるでしょうけれど。

銀杏散る全き色がすべて散る   伍蜂堂
 銀杏の黄金色は本当に鮮やかで、大銀杏が綺麗に色づいている様子は神々しくさえあります。まさに「全き色」ですね。「散る」の繰り返しも効いていると思います。

黄落やエンドロールのごと降りぬ   をがはまなぶ
 情景が鮮やかに浮かんできます。とてもロマンティックな句ですね。

鳥渡る太古から来る胸騒ぎ   紅緒
 渡り鳥の行動に思いを馳せると、壮大な物語があるのではないかという気持ちになります。理屈では説明できない心の動きがそこにはあるのではないでしょうか。

小鳥来てタイムマシンの作り方   幸久
  一見何の関係もないような小鳥とタイムマシーンだけれど、どちらにも空間をこえて移動するという共通点があります。(そう言えば最近あまりタイムマシーンって聞かないですよね?)

団栗を拾ふはいつか捨てるため   比々き
 一読してなるほどと思ってしまいました。考えてみれば人生も拾って捨てての繰り返しなのかも知れませんね。

【ひとこと】

点描の軽きタッチや落ち葉道   草子
 作者の方は切れ字「や」に頼らない句にしたくて努力されたとのことでした。でも「や」に代わる詠嘆を表す言葉が見つからなかったということですよね?
 私が先輩俳人から教わったのは「ア音」から助詞を探してみる、という事でした。そうすると「か」や「は」ということになりますね。または大胆に「ああ」を入れてみるのも面白いかも知れません。


2017年11月1日

山本たくやドクター : 今週の十句  (到着順)

【はじめに】

 先月、白内障の手術のために、数日ほど入院していました。命にかかわる手術ではなかったにしろ、やはり手術前は恐怖でした。そう思うと、死の淵にあっても、「子規」と俳号を名乗った正岡子規は、改めて凄いと感じました。客観的に自分をみることは、実は一番難しいことなのかもしれませんね。

【十句選】

 今回は、メスを入れたい俳句を選びましたので、あしからず。

紅葉落ち季節の移り目でも知る   いつせつ
 「紅葉落ち」で視覚的な情報をもう説明しているので、「目でも知る」はあえて言う必要がありません。

幾万の心虜に月今宵   山畑洋二
 「月」が「幾万の心虜に」していることは分かりきったことなので、表現が月並み過ぎです。

芋煮会近頃弁当食べる会   大川一馬
 「近頃」と入れたことで、シルバー川柳的なオチの俳句になっています。

茶の花や我が身の石の磨かるる   五六歩
 「我が身の石」が何を指しているのか分かりにくいです。

なんやかやうるさい家電文化の日   せいち
 「なんやかや」と無理に五音におさめたことが惜しいです。字余りも一つのテクニックです。「なんやかんや」とした方が、むしろリズムが出て良いかもしれません。

ハンバーグ大帝国は肥ゆる秋   干寝区礼男
 「ハンバーグ大帝国」を生かす取り合わせで、「肥ゆる秋」は違和感を感じます。もっと、現代的な季語が合うと思います。

にゃーちんのママさんどこよトンボさん   干寝区礼男
 「にゃーちん」が何か分からない。また、トンボに問いかける必然性も分からないです。

・・・雨・・・・・雪・・・雨   干寝 区礼男
 視覚的に見せる試みとしては面白いです。しかし、どのように読んで良いか分からない。

星月夜波も夢見る由比ガ浜   洋平
 全体的にロマンチックな句ですが、何故、「由比ヶ浜」なのでしょう?「由比ヶ浜」だけ急に具体性を出していて、中七までの言葉とリンクしにくい。

秋になるとおいしい鮭が我が家に   すずすみ
 ただのつぶやきです。

【秀句選】

ごんぎつね撃ちし銃口煙青し   大川一馬

唐辛子焼け残りたる魔女の鼻   伍蜂堂

入店のメガネ曇るや西鶴忌   さわいかの

青バケツ砂場に残り冬に入る   眞人

猫じゃらし列車来るたび手を振って   岡野直樹