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投句締切担当ドクター十句発表
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11月17日  谷さやん       11月27日
11月24日  星野早苗       12月 4日
12月 1日  須山つとむ       12月11日
12月 8日  秋月祐一       12月18日
12月15日  山本たくや       12月25日
12月22日  内野聖子        1月 1日
12月29日  中居由美        1月 8日
 1月 5日  久留島元        1月15日
 1月12日  谷さやん        1月22日

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2019年11月13日

中居由美ドクター : 今週の十句  (到着順)

【はじめに】

 11月に入り、晩秋の気配が漂っています。このところ、各地の天気が安定している様子でほっとしています。暦の上では立冬を過ぎましたが、まだ日中は暖かい日が多く、今しばらく晩秋の静かな景色を楽しむことができそうです。
 忙しい日々の中でも、限られた時間を大切にし、散歩をしたり、好きな本を読んだりする時間を作っていけたらいいなと思っています。

【十句選】

手から手へ行き交ふお金秋の暮   まつだまゆ
 お金は、人が生きていくうえでなくてはならないもの。そして、取り扱いに注意を要するもの。できれば、手から手へと渡したい。しかし、時代はキッシャシュレス化が進んでいる。「秋の暮」と「お金」だと寒々とした光景だが、手の温もりに救われる。

紅葉かつ散るゆつくりと好きになる   まつだまゆ
 「紅葉且散る」は、紅葉しながらかつ散る様子。これは秋の季語となる。一斉に紅葉する華やかさや激しさはないけれど、静かな自然の営みが、「ゆっくりと好きになる」という下五のフレーズに合っていると思った。

瓢の笛吹けどどこにもなき故郷   たいぞう
 瓢の笛を知人から頂いたので吹いてみた。ヒュー、ヒューと細い音色がする。少しもの悲しい気持ちになった。震災や災害で故郷をなくした方々がいる。故郷を離れ暮らすうちに、故郷に縁故がなくなった人も多いと思う。瓢の笛は、故郷への思いをたぐり寄せる。

秋晴れや抱き付くように墓洗う   マチ ワラタ
 墓はまだ新しいものだろう。抱きつくように、という比喩にドキッとした。普通、墓に抱きつくとは思わないだろうから。故人との関係や、距離感がよく伝わってくる。秋晴れという季語が効いている。

欠席のわけ問はれずにゐる寒さ   けむり
 欠席しますと言えば、理由を問われる。なにがしかの理由を述べ、了解を得ると胸を張って休める。しかし、理由も聞かれないままで欠席するのは、なんだか後ろ暗い。それを「寒さ」と言いとめた。

秋の夕菓子パン下げて無口の子   まるめ
 気になる、うんと気になる。菓子パンを下げた子どもが・・・・。秋の日は短く、すぐ暗くなってしまうだろう。帰る家はあるのか、もしあったとしても、その家で待っていてくれる人はいるのか。菓子パンが夕飯なのか。子どもの心細さが秋の夕暮れに加速する。

人声に溶ける砂糖や秋の暮   酒井とも
 人の集まりは、秋の暮にはいいものだ。秋灯のもとで賑やかもよし、静かもまたよしである。人の声に溶ける砂糖という表現が面白い。

交番にポインセチアの鉢一つ   伊藤順女
 今やクリスマスの飾りとして欠かせないものとなっているポインセチア。緋紅色に色づいた葉(苞)は、華やかである。それが交番に一鉢だけ飾ってある。この交番のありようが伝わってくるようだ。

真つ白な未来予想図文化の日   中 十七波
 真っ白にはこれから何かが始まるという意味があると思った。文化の日だから前向きに。ドリカムの名曲、「未来予想図」では、二人の夢をどんどんかなえていくが、こちらは、今から描いていく素敵な未来予想図なのだろう。

母と子の揃いのスカート秋日和   スカーレット
 たとえば、タータンチェックのスカート。母が作ったスカートのあまり布で娘の分も作った。大人用の良質の生地で作るから、子供服とはいえ、なかなか洒落ている。空気が澄んで、この上もない良い天気の午後、裾を揺らして母子で歩く。眩しいようないい光景だと思った。


2019年11月6日

内野聖子ドクター : 今週の十句  (到着順)

【はじめに】

 11月になりました。朝晩の寒暖差がまだ大きいためか、体調を崩されている方が多いように思います。(私もですが)そしてインフルエンザの季節もやってきます。皆さまどうぞご自愛ください。
 また、台風19号とそれに続き連続してやってきた台風の甚大な被害や首里城の全焼には本当に心が痛みます。一刻も早い回復を心よりお祈り申し上げます。

【十句選】

前髪も見せてはくれず竜田姫   短夜の月
 竜田姫は秋の女神のこと。今年はいつまでも暑さが続いたので秋の訪れが一際待たれたことでしょう。もどかしい思いがよく表れていると思います。

大夕焼に染められたくて揺れる海   うさの
 ロマンチックな句ですね。最近海辺でとても感動的な夕焼を見ることができたのを思い出しました。「揺れる」のは心象風景なのかもしれません。

アングルの中に夫置く夕紅葉   まゆみ
 紅葉が綺麗で写真を撮ろうとした時に無意識に夫をおさめていたのでしょうか。とても微笑ましい情景です。

人と人引っ張りあって天高し   せいち
 秋晴れの下、白熱した綱引きの様子が目に浮かびます。「人と人」が引っ張り合うという表現が面白い。

秋深し夫婦茶碗の茶渋あと   風子
 さりげない日常の中のふとした気づきを詠んだもの。夫婦茶碗を使ってきたお二人の過ごしてきた時間の長さと重みを感じました。

別々の石蹴り帰る星月夜   マチ ワラタ
 星がとても綺麗で明るい夜だから石を蹴りながら帰れるんでしょうか。別々の石を蹴りながら別々に帰っていくのか、一緒に帰っていくのか、なぜ石を蹴っているのか、などいろいろ想像が広がります。

サウナひとりぽたりぽたりと夜長し   赤橋渡
 「ぽたりぽたり」が何とも言えないわびしさを醸し出しています。夜の長さが独りきりの身に沁むのではないでしょうか。

うずうずと恋せし昔青蜜柑   みなと
 昔の恋と青蜜柑とがちょっと近いかなとも思いましたが、「うずうずと」がどうしても気になりました。うずうずと恋するってどんな感じなんでしょう。

神の留守天地無用の赤い文字   中 十七波
 神の留守とは言わずと知れた陰暦十月、神無月のことですね。神様の留守の不安から「留守神」様も存在するようです。神無月には普段は気にならない「天地無用」の文字が妙に気になるのでしょうか。

人間の光る良心芋の露   紅緒
 人間の良心と芋の露の取り合わせが何とも不思議です。どちらもきらりと光るという共通点はありますね。