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俳句クリニック 2007年11月後半分(ドクター:三宅やよい) 「e船団」のドクターがあなたの俳句を診断したものです。
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ドクター三宅の診断
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2007年11月30日 (1)ともかくも蟹飯作り客を待つ 豊純(70才以上) (2)淋しさと心安らぐ秋留守居 (3)秋句会選句待つ日の鼓動かな (4)秋晴れの支援バザール人の垣 (5)バザールを求むる子等の笑顔かな 三宅先生初めまして四句送りますご診断下さい。蟹飯の句、「客待ちぬ」と「客を待つ」、どちらが良いでしようか。教えてください。宜しくお願い致します。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)「客を待つ」、でいいと思いますが、頭から読み下すとともかくも蟹飯を作ってお客さんをまっておこう、とそのまま散文になってしまいます。普通の文章で伝達できることをわざわざ不自由に17音にまとめる必要はないので、なるべく言葉をそいで、一つのテーマでいくつか作ってみてください。 バス停の愛より親切冬の朝 きなこ(50代,男) ドクター三宅の診断と処方箋 うーん。「愛より親切」が具体的に何を表しているのかわかりにくいですね。親しみを表す笑顔より、席を譲ってくれるほうが勝るという意味なのか、とかいろいろ考えてしまいました。 (1)やまみちの脇見運転もみぢがり 文の子(60代,男) (2)ETC鳴ってフィナーレ紅葉狩 ETCはイーティーシーでしょうか。よろしくお願いいたします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)ちょっと危ないですね。 (2)「ETC」は高速道路の自動認証システムでしょうか?カタカナ表記するよりはこちらのほうがわかりやすいでしょうけど、車に乗らない方々にはわかりにくいかもしれませんね。 (1)待合に達磨の置かれ小夜時雨 茂(女) (2)待合一対小夜時雨 (3)百戦にあと一戦や冬来る ドクター三宅の診断と処方箋 (2)は(1)から考えると「待合(に達磨)一対小夜時雨」でしょうか。もしそうだとすれば、達磨がぽつんと一つ置かれている景色より味わいがありますね。 (1)ツワのはな同じ彩りJKも kikumi(60代,女) (2)ハゼ紅葉古人の髪飾り お世話になります。昨日、毎日ウイークイン堺〜、ネンテン先生のご講義。とても楽しく、お勉強させていただきました。ありがとうございました。そして、お疲れ様でございました。作句のレベル、1.2.3とお話しでしたが、まだまだお勉強です。宜しくお願いしますm(__)m ドクター三宅の診断と処方箋 (1)[JK]が何を指しているのか、ごめんなさい、よくわからないのです。 (2)古人、例えば弥生人とか縄文人とか、ある程度具体性を持たせてみられてはいかがでしょう。 (1)鳥渡るグループ旅行はぐれずに 岡野直樹(40代,男) (2)鳥渡る義仲散った湖の上 琵琶湖の上を飛ぶ渡り鳥を、何とかしようと思ったのですが。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)はグループ旅行と渡り鳥がちょっと意味が近いように思います。 (2)は散ったが少し常套的かな、とも。あといくつか作ってごらんになればいかがでしょう。 (1)蜘蛛の囲に日の絡まりて小六月 小口泰與(60代,男) (2)利根川の流れもつれし枯柳 (3)道かくす落葉の乱舞九十九折 よろしくご指導願います。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)日が絡まるとは、蜘蛛の巣が昼の光を受けてきらきら光っているということでしょうか?そのまま光るとされてみてもよろしいのでは。 (1)闇深く筑波颪や虎落笛 しんい(女) 「や」で切ってもよかったのかどうか?迷いました。 (2)虎落笛高層ビルの対峙して 宜しくお願い致します。 ドクター三宅の診断と処方箋 中七切れにすると、ちょっと型が古めいて感じられますね。言葉も難しいので、少しやわらかく考えてみられればいかがでしょう。 (2)でしたら、対峙しては、向き合ってぐらいでも。 2007年11月29日 秋の海五臓六腑は寛緩歓(かんかんかん) 多弁(60代,男) 海を眺めていたら、疲れ気味だった内臓が穏やかになったきました。そして、心も・・。 ドクター三宅の診断と処方箋 「寛緩歓」の部分、明があればわかりますが、この句だけ詠んで読者がそれだけのことを受け取ってもらえるかはちょっと難しいように思います。出来たら内臓のどれか一つにしぼってもう少し具体的にされるといいかもしれませんね。 畦道に花そば乱れ佇みぬ 岬(60代,女) 先日美山へスケッチに行き仲間と集落を散歩しましたが畦道には花そばで道が一段と細くなり歩くのをためらいました。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 下の文を読むと状況はわかりますが、俳句は17音が全てなので、その状況を句に詠まれてみてはいかがでしょう。「畦道の一段低くそばの花」「花そばの花を乱して咲きにけり」、いくつか出来そうですね。 (1)大根をほめて両手にもらい来る 悠(70才以上,女) (2)小春日の玉砂利を行く老い二人 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)いいですね。田舎でなくても家庭菜園でもありそうな光景です。 (2)も何気ない景色でいいと思うのですが、もう一味スパイスがほしいですね。 それこそに誰が名づけしや想夫恋 浅葉洋(70才以上,男) 寒い北風に向かって、想夫恋が咲いています。山茶花の一種と言いますが、可憐な花です。ご高評を。 ドクター三宅の診断と処方箋 さっそくネットで検索して見ました。可憐な品種ですね。 花の名前も中七の語調も強いので、上五はもう少し軽めの言葉がいいように感じました。 (1)ピノキオの糸からまって暮の秋 穂波(女) (2)秋暮れる糸からまってピノッキオ 「埴輪」の句へのコメント、ありがとうございました。新しい句をお送りします。口調は(2)のほうがいいようにも思いますが、「ピノッキオ」という言い方は私自身あまりしないので、(1)も作ってみました。よろしくお願いいたします。 ドクター三宅の診断と処方箋 ピノキオのほうが私には馴染みやすいように感じられます。口調のよろしさなら、糸のからまる、と軽く切られてもいいかもしれませんね。 2007年11月28日 (1)晩秋の二字にいかれて歩くなり 千坂希妙(50代,男) (2)朴葉落ち皆丁寧に裏返る (3)炭壺に子猫眠れる夜学かな よろしく。 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)「朴落葉みな丁寧に裏返る」と、語順を整えられてはいかがでしょう。 (3)可愛いと重いますが、炭壷、夜学とちょっと時代が古い印象ですね。 (1)ピンボケのリンゴ重なる夢続く 裸時(30代,男) よろしくお願いします→ (2)雪女うきうきしたくてまあがりん (3)北風のしゃもじに住んでる王子様 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)雪女とマーガリンの響き具合はいいなと思うのですが、言葉同士をどう斡旋してつなぐかが難しいところです。単に面白い言葉をぶつけただけでは句ならないように思いますが、いかがでしょう。 (1)棚田行くイノシシ親子明けの星 豊田ささお(70才以上,男) 全国的なイノシシ被害は、私の周りでも大変なもので、10年前には想像もできなかったような被害が出ております。 (2)長屋門コナラ紅葉を眺めをり コナラは、ハハソともいうそうですが、よくわかりません・・・ (3)楢紅葉まだらのままに暮れにけり コナラでもう一句お願いします。ちょと平凡でしょうか? ドクター三宅の診断と処方箋 (3)より(2)がいいですね。長屋門とコナラ紅葉の取り合わせを生かして、「眺める」だとちょっとあたり前になってしまうので、繋ぎを考えてごらんになればいかがでしょう。 (1)イノシシも山で食べるものがないのでしょうね。でもばったり出会いたくないものですね。 (1)庫裏の棚にポインセチアと白ワイン さくら(女) (2)葉ぼたんやお召しちりめん蔵の中 宜しく御願い致します。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)うーん、庫裏に置く、ぐらいでも。少し薄暗いところにポインセチアとワインが並んでいるのはいい風景ですね。クリスマスも近いし、ただ、赤のポインセチアだから白ワインを持ってこられたのでしょうけど、色彩的に少し強いかもしれませんね。 思いつめしごとくにセーター黒ばかり れい(70才以上) よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 「思いつめ黒いセーターばかり着る」ということなのでしょうか、思いつめるごと黒セータの人の来るという意図なのでしょうか?「 思いつめしごとくに」この部分もう少し簡略にできるように思いますが、いかがでしょう。 2007年11月27日 山茶花や椿の姉と想いけり 遅足(60代,男) 山茶花と椿という季語が重なっていますが、どうなんでしょうか?山茶花と椿の関係を詠んでみたいと考えたのですが。診断をよろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 これは山茶花のような姉、椿のような姉という意を含んでいるのでしょうか。ただ山茶花はきっと椿の姉なんだなぁ、という意図で作られたのでしたら、ちょっと想いけり、がどうでしょう。説明的かもしれませんね。そのあたり、前者なのか、後者なのか、読み手にはわかりにくいようにも思います。季重なりについては心配なさることはないように思います。 (1)三丁目の町内会へ冬うらら 未知(50代,男) (2)二つ三つ落ちて知りたる熟柿かな (3)蒼穹の澄みし力や通草割る ご教示を。 ドクター三宅の診断と処方箋 (3)がいい感じですね。蒼穹が少し言葉に力みが入っているようなので、青空の澄みし力、で充分ではないでしょうか。 (1)の三丁目はありきたりなので、嘘でも工夫のほしいところです。 (1)うそ寒い海の幸の赤ら顔 裸時(30代,男) (2)イノシシが鼻と平和の話聞く (3)新涼のコーヒーゼリーに霧かかる (4)ふぐだけが平らになったら苦しいよ よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)「海の幸」を具体的に示されたらいかがでしょう。実感を引き寄せる対象がないと、言葉が浮きっぱなしになってしまうように思います。 (1)涸沢がこんなに近いとは秋高し はるみ(50代,女) (2)残照の燧ケ岳より秋来る (3)草紅葉ここから先が尾瀬ヶ原 よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (3)がいいですね。だんだんと自分が尾瀬のあたりへ近付いてゆく実感があります。もう紅葉にいい季節になりましたね。尾瀬は行ったことがないので、ぜひ訪ねてみたいです。 枯れ葉みそらーめんのびてゆくおしり 汽白(40代,男) まいどありがとうございます。よろしくお願いいたします。 ドクター三宅の診断と処方箋 枯れ葉みそのみそは、美空とみそらーめんとつながりでかけて、らーめんのようにのびるのびる、という意図でしょうか。ちょっと凝りすぎのようにも。それより、「枯れ葉散るみそらーめんののびてゆく」で充分いいように思いますが、いかがでしょう。 2007年11月26日 詣り終へ和服に靴の七五三 なごみ 孫と七五三のお詣りにいった時のことです。なお、取り合せの句を詠みたいのですが、難しいです。 ドクター三宅の診断と処方箋 「和服に靴の七五三」この部分はいい着目だと思いますが、 「詣り終へ」が説明になってしまっています。七五三だけでお参りに行ったことはわかるでしょうから、ここに「犬がいて」とか「空晴れて」とか、情景はものをぽんと置かれると和服に靴を履いている子供との取り合わせになると思いますよ。 母来る庭に山茶花日和かな けいこ(50代,女) 先日の”栗きんとん”の句は、今の時季だけ出回る茶巾絞りのようなお菓子の事でしたが、うっかりして季語ではなかったようです。今回も宜しくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 あ、茶巾絞りのお菓子ですか。私はすぐおせち料理のくりきんとんを想像してしまったので気づきませんでした。山茶花日和に母が来る、という表現はとてもステキですね。庭は要らないように思いますよ。別の言葉を考えられてみられてはいかがでしょう。 (1)全山の葉緑素が赤となるのだ 千坂希妙(50代,男) (2)弁当に萩散る時は昼の酒 (3)天窓に蜘蛛居座りて秋はゆく (4)墓石に土下座したきは鵙のせい (5)ヒヨドリの胸毛くるりと手水鉢 だんだん俳三昧になってきましたが、峰遠し、って感じ。 ドクター三宅の診断と処方箋 (5)がいいです。ヒヨドリって近くからしみじみ見たことはありませんが、いかにも胸毛がくるりと巻いていそう。面白い着目だと思います。 白足袋の白きはだてる紅緒かな しんい(女) 宜しくお願い致します。 ドクター三宅の診断と処方箋 少し白足袋の色を詠んだだけでは平凡なので、例えばぞうりから浮いた足裏が少し泥がついているとか、ちょっと汚れているほうが、現実味が増すかもしれませんね。 (1)片膝を付いて文読む夕紅葉 未知(男) (2)歌麿の指の先にや初しぐれ (3)仰け反りし白打掛や秋うちは 歌麿の浮世絵の復元画を見て感動、ご教示を。 ドクター三宅の診断と処方箋 歌麿ですか。この間私も美術館で吟行をしましたけど、絵を見てその感動を句に詠むって難しいですね。 (1)が「歌麿浮世絵」という詞書や説明なくとも通じるし、今、ここでもありそうな情景ですね。 2007年11月25日 熊穴に台与にこの座を継がせます 北野元玄(60代,男) 熊穴には大雪と冬至の中間期。引退してこれまでの座を他人に譲る悲哀感が出せるとよいがなと思います。譲るではなく継がせるとは精一杯の矜持? ドクター三宅の診断と処方箋 ちょっと場面が想像しにくにのですが、この座とは、地位のようなものですか?特定の場所のことでしょうか。そのあたりがこの句からは見えにくいように思います。 (1)石蕗咲くや日を真っ向に朝浅間 小口泰與(60代,男) (2)炬燵より鼻のみ出でしチワワかな (3)北颪いなす巨木の定かなり よろしくご指導願います。 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)可愛いですね。炬燵布団から黒く濡れた鼻がちょこっと見えているのでしょうか。少し言葉がかたいので「炬燵から鼻はみだしてチワワかな」、ぐらいでも。 (1)大根の白くすらりと伸びやかに 岡野直樹(40代,男) (2)玄関の大根何に化けるやら (3)大根や白きに見合う辛さかな 大根シリーズです。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 大根のおいしい季節になりましたね。大根は畑にできているのを見るのも食べるのも大好きです。この中だと(3)が一番好きです。ただ、見合うがどうでしょう。(1)とミックスさせて、「大根や白くすらりと辛さかな」とか、も考えられますね。 (1)これはこれは体脂肪率秋深む せいち(60代,男) (2)あゝさうか銀杏落葉の降るわ降るわ 宜しくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)「銀杏落葉の降るわ降るわ」の部分がとても面白いので「あゝさうか」は、もう少し引き締まる言葉をもってこられればより下の部分が生きるように思います。 (1)つちふるや目の前にゐてとほきひと 蓉子(50代,女) (2)恋とほき日となりゆきて花八つ手 よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 両方とも「とほき」がテーマでしょうか。 (1)目の前にゐて という部分が少し散文的なので、「そこにゐるのにとほきひと」とか、表記を生かしてやさしい言い回しで柔らか味を出してみても。いろいろ表現を工夫なさってみてください。 カレーの日あすもカレーや石蕗の花 雀子(60代,男) 一向にうまくなっておりませんがよろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 石蕗の花とカレーは黄色の色つながりでしょうか?毎日毎日カレーの繰り返しで、あすも、と来るとちょっと物足りない。むしろ、カレーの日に意外性のあるものを食べる形でもいいように思いますが、いかがでしょう。 (1)ひとり居の蟹解禁日昼の酒 えんや(70才以上,男) (2)蟹を選る女は何度も吊り上げて どうか宜しくお願い致します。 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)の情景面白いと思うのですが、女の人はかごか何かを海から吊り上げて、その中にいる蟹を選っているのでしょうか?そのあたりの情景が鮮明になるといいと思いました。 2007年11月24日 (1)文化祭いよよ老春フラダンス ねぎよしこ(70才以上) (2)半径の真っ青な空吸い初冬かな (3)死んだのに生きておったよ雀蜂 始めまして。ステキな先生のご指導で若返りそうです。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 こちらこそよろしくお願いいたします。 (1)文化祭でない季語のほうがちょっとお年をめされた方々のフラダンスには似合うように思います。 (2)半径の真っ青な空冬立ちぬ ぐらいでも。 (1)水底に水沈ませて鴫の立つ きなこ(50代,男) (2)小春風いのちうつろふ蝶の息 「秋蝶の肩のあたりを怪しむる」を推敲しました。よろしく、ご診断下さい。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)水底に水沈ませて は面白い表現ですが鴨がいっせいに飛び立っても波立ちますが、それほど重量感のある印象でもないですね。もう少しはっとさせるものを下五に持ってこられてはいかがでしょう。 (2)うーん、ちょっと大げさになりすぎたように思います。 (1)とき待てり鷹は巌に爪たてて 文の子(60代,男) (2)銘柄を選るか食まずに稲雀 宜しくお願い致します。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)掛け軸に描かれたような情景でちょっと新鮮味にかけます。 (2)は稲雀がつつくのにコシヒカリ、とか秋田小町とか文句を言っていると、少し理屈がつく印象があります。 山茶花やくつろぐように散っており れい(70才以上,女) いつも有難うございます。添削をしていただいたのをいつか推敲したいと思っています。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 くつろいで散る、という見立ては面白いように思いますが、山茶花の散り方の説明になってしまうと、その表現も生かしきれていないように思います。花ではないものをもってこられても。 (1)帰り花荒れ放題の田んぼかな 小口泰與(60代,男) (2)しんしんと寒さ身にしむ起床かな (3)気まぐれの風に気随し落葉かな よろしくご指導願います。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)持ち主のいなくなったか、減反か、年老いて面倒の見切れなくなった田んぼなのでしょうか。うちの田舎でもよく見られる風景です。帰り花がよく効いてますね。 (1)冬初め小指で頭かいている ポリ(50代,女) (2)初霜や声を出さずに泣く男 よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)がいいですね。「声を出さずに」より「声をあげずに」がいいように思いますが、いかがでしょう。 (1)マフラーや仮退院の空青し 茂(女) (2)後手好む夫の作戦小春の日 (3)北風の帯をほどいて当たりくじ ドクター三宅の診断と処方箋 (1)実感のこもった句ですね。本当にこの季節の空は晴れ晴れとして気持ちがよいです。仮退院できた喜びの気分とよく調和しています。 (2)後手好むは碁などでの「後手にまわる」の意味なのでしょうか?加えて作戦とまで言ってしまうと理屈っぽいように思います。 (1)ゴムまりを巻き込んでゆく寒さかな 未知(50代,男) (2)鯨の尾夕日沈みし海の音 (3)貝開けの棹一振りや海光る ご教示を。 ドクター三宅の診断と処方箋 (3)貝開けの棹って何なのでしょう?牡蠣をしかけた棹を上げているという意味なのでしょうか?棹が海に光っている情景はいいですね。 2007年11月23日 どんぐりや夢見る夢子ばかりなり 豊田ささお(70才以上,男) 日曜日、雑木林のはずれにどんぐりを20個ほど植えました。 ドクター三宅の診断と処方箋 「夢見る夢子ばかりなり」 の部分がわかりにくいように思います。夢が全て子供達が出てくる夢ばかりということでよろしいのでしょうか?それとも「夢見る夢」でいったん軽く切れるのでしょうか。 冬陽あびさざ波揺れる連綿と あをい(50代,女) ドクター三宅の診断と処方箋 池、湖、海、どこの波なのでしょうか?ちょっと場面が思い浮かばないので、もう少し具体的に考えてみられればいかがでしょうか。 (1)翁忌や雨の深川裏長屋 遊雲(70才以上,男) (2)ハチローや赤いリンゴを口ずさむ (3)冬めいて三歳の差を思いけり 11月は、12日が芭蕉忌、土曜日に「深川江戸資料館」へ行ってきました。寄贈された「古池や蛙飛びこむ水の音」の句碑がありました。13日が、サトウハチローの忌。忌の句は難しいと聞いてるけどチャレンジしてみたくて。寒くなると3歳の差は厳しいです。 ドクター三宅の診断と処方箋 うーん、3歳の差とは??70歳と73歳の差で体力がなくなって寒さが答えるということでしょうか?(3)をそう読み手によんでもらうのはちょっと難しいですね。確かに忌の句は難しいですね。近付きすぎたり、離れすぎたり「赤いリンゴ」ってハチロー作詞だったのでしょうか? (1)焼き鳥とアッシュトレイの切れ上がり 裸時(30代,男) (2)秋の灯にアフガニスタン面だらけ (3)赤しその中にとある秋の雨 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)この句、なんとなく面白みはあるのですが、読み解こうとしても疑問だらけで、句意がはっきりしません。アッシュトレイは灰皿でいいのではないでしょうか?切れ上がりとは?? 2007年11月22日 (1)人声のしみじみちかき暮の秋 蓉子(50代,女) 前回の「人声も水音も近き暮の秋」を推敲してみました。よろしくお願いします。 (2)冬空や名も無き山の横たわる (3)冬もみじ身籠りしこと知らさるる 来夏初孫誕生の予定です。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)「人声のしみじみちかき」の部分はいいと思いますが、「暮の秋」が漠然として感じです。もう少し輪郭がくっきりする季語を持っていらっしゃったらいかがでしょう。 (3)以下書いていらっしゃる「初孫を身籠りしこと」に似合いの季語を考えてみられればいかがでしょうか。 子と牛乳びんすすぎおり小鳥くる 穂波(女) 「水差し」の句へのコメント、ありがとうございました。新しい句をお送りします。よろしくお願いいたします。 ドクター三宅の診断と処方箋 牛乳瓶をすすぐことと、小鳥の組み合わせはとても新鮮です。「子と」という部分は省いてもいいと思いますので、この情景でピントを絞られてごらんになればいかがでしょう。 (1)静けさや落葉踏み込む音迫り 小口泰與(60代,男) (2)日を受けて順に紅葉の艶ませり (3)日の光楓もみじの輪王寺 よろしくご指導願います。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)落葉、静けさ、踏む音、(2)紅葉 日差しの色、とちょっと結びつきが近すぎるように思います。生活の周辺での具体的な情景や動きを句に取り入れてみられればいかがでしょう。 吊るし柿ほどよき距離の隣家かな 茂(女) ドクター三宅の診断と処方箋 あまり近すぎもせず、遠すぎもせず、というのは隣屋との建て地の距離でしょうか、それとも人間関係の距離でしょうか?もし物理的な距離でしたら「ほどよく離れし」ぐらいで言いとめられてみられてはいかがでしょう。 炬燵寝の妻二の腕の固太り きなこ(50代,男) これって、川柳でしょうか? よろしく、ご診断下さい。 ドクター三宅の診断と処方箋 うーん。川柳の定義が難しいですけど面白おかしくというより、ちくって批評が入っているという意味で言われているのでしょうか。自分の膝に投げ出された妻の二の腕が意外に重たい、ぐらいの感じで作られてみてはいかがでしょう。 2007年11月21日 平凡に徹して米寿つはの花 文の子(60代,男) よろしくお願いいたします。 ドクター三宅の診断と処方箋 どなたかのお祝いの句でしょうか。平凡に徹するって簡単なようでなかなかです。でも88歳をお迎えになったのですからおめでたいことですね。「つはの花」が効いています。 セーターの黒の魔法の解けるまで 未知(50代,男) ご教示を。 ドクター三宅の診断と処方箋 セーターの黒の魔法が解けたらどうなるのでしょう?ちょっとそのあたりが具体的に想像できないのが、弱いように思えます。 (1)渓流に思いを馳する冬ごもり 小口泰與(60代,男) (2)炭焼の二の腕太き山は沈黙 (3)秋空へ雲の描きし罰印 よろしくご指導願います。 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)「炭焼の二の腕太き」の部分がいいですね。大きな木を伐採したり、薪に叩き割るのですから、たくましい腕が必要なのでしょう。「山は沈黙」の表現が少し固いように思えますので、「山しずか」ぐらいでもよろしいのではないでしょうか。 (1)太陽の知らないところの氷食べ 裸時(30代,男) (2)非現実症候群の夕ひとつ 症候群もうひとつつくってみました(^^; よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 症候群の句より(1)の太陽の知らない氷、というフレーズに惹かれました。「ところ」と入れてしまうとちょっと理屈っぽくなってしまいますが、太陽にかくれてこそっと氷を食べているようで面白い表現だとおもいました。 目ン玉を取り出す冬の月を見る きなこ(50代,男) よろしくご診断下さい。 ドクター三宅の診断と処方箋 取り出す、見る、二つ切れがあるので、最初の部分は取り出し、と繋がれてみてはいかがでしょう。 2007年11月20日 寒風やぶらりぶらりと酒まんじゅう ももひきさんぺい(40代,男) つい1ヶ月ほど前から思い立って俳句を書いてます。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 ぶらりぶらり、は饅頭にかかるのでしょうか、それとも寒風の中をぶらりぶらりと歩いていらっしゃるのでしょうか?そのあたりが少しわかりにくいように思いました。 (1)七五三このまま縁談決めようか 岡野直樹(40代,男) (2)七五三ファミリーカーが満車かな (3)七五三嫁ぐ日をすら思いけり 七五三シリーズになりました。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 七五三といえば、子供の晴れ着や仕草に目がいきがちですが、(2)の着目が面白いですね。確かに神社の境内はファミリーカーがいっぱい。カローラ、や昔はファミリアとかが主流でしたね。今あるのかな? (1)秋桜好きだったのは此処の道 茂(女) (2)エントリーナンバーぞろ目深む秋 ある競技会で77の番号でラッキーと喜びましたがあえなく落選、矢張り実力がないと。 ドクター三宅の診断と処方箋 下のお言葉、「77の番号でラッキーと喜びましたがあえなく落選」、この部分を生かして、「七七のぞろ目で落ちて深む秋」と具体的に表されるとよりわかるように思いますが、いかがでしょう。 同じ鍵もちそれぞれの冬の夜 れい(70才以上,女) よろしくお願いします。いつも有難うございます。 ドクター三宅の診断と処方箋 確かに家族ってそうですね。この真理は表現されて初めてわかります。同じ鍵それぞれ持ちて、だと少し意味が変わってきてしまうでしょうか。同じ鍵を持つ家族のそれぞれが別の冬を過ごすという意図で作られたのでしょうか。 失墜といふ美(は)しきこと柿落葉 文の子(60代,男) よろしくお願いいたします。 ドクター三宅の診断と処方箋 日が当たりながら落ち葉の舞うさまは本当に綺麗ですね。上五の失墜が「柿落葉」の説明に、なってしまったようです。そのあたり考えられてみられればいかがでしょう。 2007年11月19日 (1)三千院空広がりて薄紅葉 悠(70才以上,女) (2)秋冷の闇に八坂の社浮く ライトアップで綺麗です。 (3)秋冷の御堂に正座の如来像 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)京都はいい季節になりましたね。三千院の空も薄紅葉の季節になってより大きく思えるのでしょうね。 (2)下から照明があたっている実感が「社浮く」の表現で感じられます。 (1)雨の音ばかりの夜なり木の実独楽 せいち(60代,男) (2)小言背に回してをりぬ木の実独楽 宜しくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (2)「をりぬ」「ばかり」「なり」とちょっと言葉が多いので、例えば、「小言背にくるくる回す木の実独楽」とか、木の実独楽にピントを絞ってごらんになればいかがでしょう。 翁の忌まるぼし酢ッ酢ッ元気ですッ 北野元玄(60代,男) ドクター三宅の診断と処方箋 「酢ッ酢ッ」と元気が出ましたね。ごめんなさい。「まるぼし酢」って私よく知らないのです。ミツカン酢のようなものでしょうか?? ぶつぶつと言う干し柿は厚化粧 多弁(60代,男) 冬らしく寒くなってきました。 ドクター三宅の診断と処方箋 白く粉をふいた干し柿を「厚化粧」と見立てていらっしゃるのでしょうか。「ぶつぶつと言う」の部分がどうして後半とつながるのか、ちょっとわかりにくいように思います。 干し柿や座布団並ぶサンルーム 茂(女) ドクター三宅の診断と処方箋 「座布団並ぶサンルーム」はよく情景が見えますね。上五に「干し柿」の季語を持ってくると、両方お日様に乾く、でちょっとつきすぎの印象も。違う季語をもってこられてはいかがでしょう。 2007年11月18日 土手越えてとどく朝日や青みかん れい(70才以上) よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 土手のあちら側から朝日がさしてくるのでしょうか?そうした情景を詠まれているのなら、とどくより、さして、ぐらいでも。 (1)七五三ばったり出会う芭蕉句碑 岡野直樹(40代,男) (2)七五三猿の親子も参るなり 天気が気になる七五三です。よろしくお願いします。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)ばったりと句碑に出会うは凝った言い回しですが、少しわざとらしさも。句碑の文言の一部など入れてさらりと流されてみてもいいのではないでしょうか。 (2)「も」ではなくて「の」ではいかがでしょう。 大雪に体半分匂ってら 裸時(30代,男) 「大雪」は「たいせつ」と読むのでしょうか「おおゆき」と読むのでしょうか?僕の季寄せには「たいせつ」と載っていましたが。 ドクター三宅の診断と処方箋 「おおゆき」でしょうか。私の持っている講談社の大歳時記はたくさん雪が降るといいう意味ではそうなっています。「大雪」(たいせつ)でもいいように思いますが。二十四節気の節を表す読みは「たいせつ」のようですが。不勉強でごめんなさい。 柿剥きつ敦盛語る翁かな 春雪(70才以上,男) 「作句意図」今年は柿の成り年なのか、沢山貰います。剥きながら孫に平家物語の一節を語りかけます。 ドクター三宅の診断と処方箋 今年の柿は甘いですね。ご自分の姿でしょうか、ちょっと翁は古い言い回しですね。「敦盛を孫に語りつ柿を剥く」ぐらいでも。 玻璃越しに冬日をあびて針仕事 なごみ(70才以上,女) 穏やかなひと時だったのですが、事実を述べただけですね。山茶花の句「山茶花を掃きて通園バスを待つ」にしました。初歩の初歩ですが、ご指導宜しくお願いいたします。 ドクター三宅の診断と処方箋 あったかそうですね。南向きの縁側でしょうか。祖母がよく縫い物を膝に広げて縁側で針仕事をした姿を、懐かしく思い出しました。「玻璃越しに」は「ガラス戸の」、と軽く言われてみても。 (1)まつさをの空を水面に草紅葉 小口泰與(60代,男) (2)朝霧の去りて湖水の華やげり (3)見下ろすや紅葉包まるダム湖なり よろしくご指導願います。 ドクター三宅の診断と処方箋 (3)「や」と「なり」と二つ強い切れがはいっていますので、どちらかに焦点を絞ってみられてはいかがでしょう。 (1)吊るされて血抜きの猪を犬見上ぐ 千坂希妙(50代,男) (2)この山にいますか狐と松茸と (3)ねえ来ないトカラのタコは柿喰うよ (4)あのころは安保反対あんぽ柿 クリニックの甲斐なく駄作ばかりですみません。 ドクター三宅の診断と処方箋 (1)なんだか怖い句ですけど、猟で得た獲物って血抜きするんですよね。田舎では猪の肉を猟師さんからもらったことがありましたけど、しばらくはさかさに吊るされていたのかも。吊るされているのは猪でしょうから、「吊るされる」でもよろしいのでは。猟犬が猪を見上げている姿に実感があります。 |