この一句・2002
2002年11月29日

せきれいの石次の石次の石  (季語/鶺鴒)

井口さだお

 石叩きともいう鶺鴒(せきれい)の様子をうまく詠んだ句。この句、合同句集『せきれい』から引いたが、これはせきれい俳句会の作品集。そしてこの会を主宰しているのがさだおだ。だからこの句には、俳句仲間に対して、せきれいのように次へ次へとステップアップを促す、そのような気持ちが託されているだろう。
 さだおは1926年生まれ。せきれい俳句会は山田文鳥という人が初代の主宰だった。この人は山田六甲の父である。私は高校生のころ、文鳥の俳句大会にホームルーム担任に連れられて参加した。愛媛県五十崎町であった俳句大会。そのとき、さだおにも会っているらしい。
 「菜の花や園児一人が行方不明」「先づ夏が来てをり土佐の刃物市」「雨ふれば雨のむらさき桐の花」「葉鶏頭村一番の暴れん坊」。いずれもさだおの句だが、清新な抒情がとても快い。
(坪内稔典)


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