この一句・2004
2004年2月17日

ラグビーや敵(かたき)の汗にふれて組む  (季語/ラグビー)

日野草城

 「清新な句風で一世を風靡した草城の句として印象に残る。珍しく地味なフォワードのスクラムの句だが、汗にまみれたジャージーと顔、まさに肉体と肉体のぶつかり合う男のスポーツの特徴が、的確にとらえられている」。今日の句を以上のように解説しているのは俳文学者の堀切実さん。早稲田大学に勤めた堀切さんは早稲田ラグビーの年来のファンなのだそうだ。実は私は神戸製鋼の隠れファンである。
 今日の句は『芭蕉ワイドライン』(私家版)から引いた。ラグビー用語を題に取り込んだこの本は、古希を迎えた著者の記念のエッセー集。堀切さんの本への書評なども収めている。ちなみに、300頁を越すこの本は堀切さんの奥さんがパソコンで製版したらしい。「枯草にラグビーの血乾かざる」。堀切さんは草城のこの句も引いている。
(坪内稔典)


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