この一句・2004
2004年3月24日

パリーまで機窓(まど)に一滴春の星 (季語/春の星)

マブソン青眼

 きれいな句だ。パリへ飛ぶ飛行機の窓に春の星が一つ、まさに「一滴」の光としてあるのである。なんだかパリへ発ちたくなる。
 今日の句は作者の第2句集『天女説』(参月庵)から引いた。さきに出た句集も手書きだったが、今回の句集も著者が手書きしたものである。定価千円だが、こうした手軽で安い句集がもっと出てもよい気がする。ことに若い人などはパソコンを駆使した句集を積極的に作るべきだろう。その点、外国人のマブソン青眼はたいしたものだ。ちゃんとこうして本にまとめ、積極的に読んでもらおう、としている。彼は1968年にフランスで生まれ、早稲田大学で俳文学、比較文学の研究をしてきた。前句集『空青すぎて』(2002年)は私も選者の雪梁舎俳句大賞を受けて話題になった。
(坪内稔典)


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