この一句・2004
2004年3月31日

桜満ちる十日 障子の桜色  (季語/桜)

伊丹公子

 昨日に続いて『女流俳句全集』から引いた。桜の咲く期間というのは確かに十日くらいだろう。その時期、桜のそばに障子があったとしたら、障子はきっと桜色に染まるだろう。そのような桜色の障子の内側に座っていたら、人は何を思うのだろうか。作者は1925年生まれ。私のかつての師匠である。詩の美しさ、あるいは美意識について、私はこの人から多くを教えられた。この句は句集『ドリアンの刺』(1982年)に収められている。
 大学に勤めている私にとって3月は年度の終わり。国立大学から私立大学(佛教大学)へ移って2年がたったが、今年度は気分的にずいぶん楽だった。去年は授業中に倒れたりして散々だったが。で、新年度には大学院生や卒業生といくつかの研究会を始める予定。わいわい議論することがどうも私は好きなのである。
(坪内稔典)


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