2005年12月9日
極月の家にをとこの置き所 (季語/極月)
橋本薫
もしかしたら普段の月には夫の位置などを気にしたことがないのだろう。いよいよ押し詰まった極月になってはじめて、「ああ、わが家にちゃんと夫の置き所があったのだなあ」と感心しているのだ。
この作者には、「冬凪やちかごろ夫のさからはず」もある。夫より優位というか、夫に少しも負けていない。これが今時のかなり多い夫婦像だと思うが、このような対等にやり合う夫婦が俳句にはまだ十分に登場していない。夫をもみしごくような妻たちが俳句にいっぱい現れると俳句そのものが変貌するだろう。
薫は1956年生まれ。黒田杏子に師事している。引用した句は彼女の第1句集『なにはの端居』(文學の森)にある。