この一句・2006
2006年2月28日

春風やしゃっくりをして半田まで    (季語/春風)

新美南吉

 半田は愛知県の半田である。この句はどこから半田まで行くというのであろうか。当時の作者の居たところから推測できるだろうが、その方法は必要でない。読者が勝手に起点を定めればよい。そうする方が作品の幅が広がる。私としては碧南あたりから海を渡って半田へ、と考えたい。この句の作者は「ごんぎつね」で有名な童話作家だが、中学生時代から句作していた。南吉という名前も俳号だったという説があるらしい。
 実は、ここ数年、碧南に通っており、すぐそばの半田に生まれた南吉が気になっている。それで、先日、碧南で句会をしたとき、「東風(こち)を呼ぶ新美南吉記念館」と作ったのだった。半田には彼の記念館がある。
(坪内稔典)


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