この一句・2006
2006年3月5日

春雨や八坂の塔の下を往く    (季語/春雨)

日野草城

 草城の第二句集『青芝』(1927年)にある。ただし、私が引いたのは1947年に出た改訂版から。春雨と八坂の塔の取り合わせが早春の京都の情緒を出している。もっとも、「下を往く」は説明的でややだるい表現だ。
 この3月、私の新著『俳句で歩く京都』(淡交社)が出る。鬼の編集者に攻められ、おかげでこんなに早く出るのだが、写真が多くて楽しい本だ。現在の写真のほかに京都駅や嵐山などの資料写真も豊富である。子規、漱石、虚子を中心にして、俳句に詠まれた場所を歩くという感じの本なのだが、京都を中心にした俳句史にもなっているはず。「俳句を楽しみ、京都も楽しむ」。そのような感じの本になっているとしたら、私は大いに満足である。


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