この一句・2006
2006年3月19日

家々や菜の花いろの燈をともし    (季語/菜の花)

木下夕爾

 「菜の花いろの燈」は暖かい。いかにも春の燈火だ。この句、『定本木下夕爾句集』(1966年)から引いた。
 この句のような季語の用法はしばしば問題になる。だが、このような使い方もよいと思う。燈火が季語・菜の花によって菜の花色になったのだ。まさに季語が働いたのである。
 ところで、先週の土、日は宮崎・延岡にいた。第6回若山牧水青春短歌大賞の表彰式に出たのである。「天ぷらのぷらという字の意味は何? 考えながら終わる一日」。私はこの歌が大好きだったが、作者の大本龍太郎君(高校2年)にも会えて、愉快な2日間であった。その2日間、窓の外に目をやると菜の花が見えた。ホテルからも列車の窓からも。


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