この一句・2006
2006年3月31日

桜三分シロサイを見に集まりし    (季語/桜)

土谷倫

 出たばかりの句集『風のかけら』(ふらんす堂)から引いた。倫は1946年生まれ。私が塾頭をつとめる伊丹市の柿衛文庫也雲軒の塾生である。その句風はくったくがなくてとても明るいが、とりわけ、掲出の句がすてきだ。シロサイ見に集まったということがまずとてもよい。しかも、桜三分が感覚的にシロサイに合っている。
 「永き日のわたしはイルカ遊び好き」「さくらさくら風のかけらを包み込み」「桜蘂頭につけて戻り来し」「行く春の大樟木を抱きに行く」。こうした春の句を見ただけでもこの人の冴えた感性が分かるだろう。


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