この一句・2006
2006年11月18日

蓑虫が手塚治虫の顔をする    (季語/蓑虫)

加藤彦次郎

 「うわっ、蓑虫も面白いなあ」と思った俳句。こんな句に出会うと蓑虫をゆっくりと観察したくなる。
 12日、宇治市で紫式部文学賞、紫式部市民文化賞の表彰式があった。文学賞は梨木香歩、そして市民文化賞は加藤彦次郎であった。彦次郎は私たちの紫野句会のメンバーである。私たちは「彦さん」と呼んでいる。山本純子、塩谷則子などの紫野高校の同僚だが、去年、咽喉の手術で声を失った。一時は悲嘆していたが、俳句の楽しさを再発見し、俳句を生きる力にしている。―と彼は受賞の挨拶をした。「頷いてゐるマフラーの中の顎」「春の山持ち上げて切る蛸の足」などが彦さんの受賞作だ。


前の一句 次の一句 記事検索 バックナンバー トップページ