この一句・2007
2007年8月17日

龍を飼ふ力こもれる瀧の音    (季語/滝)

鈴木太郎

 句集『秋顆』(角川書店)から引いた。この句集を手にしたとき、一瞬、これは句集の見本か、と思った。最近、いろんな出版社が句集発行の勧めを送ってくるのでその1つかと思ったのだ。それというのも、作者名の「鈴木太郎」のせいだ。鈴木も太郎もよくある名であり、申請書などの書き方見本によく見かける。もちろん、鈴木太郎は実在の俳人。1942年生まれで森澄雄に師事、1997年から俳句雑誌「雲取」を主宰している。句集は『秋顆』で4冊目。
 掲出句は、瀧の字の言葉遊びのような句だが、その遊びに夏の滝の実感が重なっている。水量の豊富な滝は確かに龍を飼っている気がする。


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