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2002年10月13日
雀海に入りて蛤となる(すずめうみにいりてはまぐりとなる、suzume_umi_ni_irite_hamaguri_to_naru)寒露(24節気の1つ)の第2候のことであり、ちょうど今の時期が「雀(すずめ)海に入りて蛤(はまぐり)となる」時候。あまりに長い季語なので、「雀蛤になる」と縮めて用いることが多い。 雀が蛤になるとは、荒唐無稽(こうとうむけい)な想像だが、雀と蛤は色やかたちが似ており、それでこんな季語が生まれたのだろう。村上鬼城に「蛤に雀の斑(ふ)あり哀れかな」がある。 荒唐無稽を好んだ夏目漱石は、この季語で数句を作っているが、明治32年のある日、草むらで拾った雀の死骸(しがい)を白菊のもとへ葬ってやり、「蛤とならざるをいたみ菊の露」と詠んだ。蛤になれなかった雀を悼み、せめては雀に菊の露をたむけようという俳句。 ともあれ、この季語を知ると、庭にくる雀が蛤に見えたり、逆に蛤が雀の化身と見えたりするから妙だ。 (毎日新聞・新季語拾遺/1995年10月16日) (坪内稔典)
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