季節の窓
No.13 2016年 船団の会初夏の集いNo.14 激突する五七五 「俳句と川柳」
No.11 春の鳴門観潮と句会No.12 奥琵琶湖海津の湖畔を行く
No.9 船団の会 新年会2016No.10 祝・稔典さん著作100冊
No.7 俳句×美術 in 篠山No.8 フォーラム 塩見恵介の風
No.5 船団の会 初夏の集い2015No.6 松本秀一さんのアトリエ
No.3 船団の会 新年会2015No.4 葛城山 遠足&吟行
No.1 天川村吟行
No.2 大浜てらまち俳句ing


No.14
2016年 船団フォーラム 11 激突する五七五 「俳句 vs.川柳」



日 時 :2016年10月23日(日) 14:00〜17:00


場 所 : 伊丹市図書館 「ことば蔵」


◆第一部 : ディスカッション 「俳句らしさ、川柳らしさ」

 当日は70の席が満杯になり、急遽椅子が足されるほど会場は賑わった。
 第一部はパネラーの塩見恵介氏、山本たくや氏、小池正博氏、芳賀博子氏によって行われた。
 各演者が気になる俳句、川柳を提示しながら、俳句らしさ、川柳らしさとは何かについて、議論が進められた。


俳 人 川柳人
塩見恵介さん
(船団)
山本たくやさん
(船団)
小池正博さん
(川柳カード)
芳賀博子さん
(川柳「宙」)

それぞれ話題になった一句。

【俳句】
塩見恵介選 「この雪は俺が降らせた」「田中すげぇ」  〈吉田愛〉
山本たくや選 一滴一罪百滴百罪雨ハ蛙ヲ百叩キ  〈御中虫〉
【川柳】
小池正博選 もうひとり落ちてくるまで穴はたいくつ  〈広瀬ちえみ〉
芳賀博子選 手術痕ばら色あとはみんな嘘  〈平野ふさ子〉

 吉田句に対しては、一言目の不条理さに対して二言目が肯定していることの面白さと、会話の臨場感。
 御中虫句に対しては、そもそもこれは俳句なのか一行詩なのか、俳句の概念とはという議論。広瀬句に対しては、落とし穴の退屈さという意外な見方の面白さ。
 平野句に対しては、あとはみんな嘘、に飛ぶ意外性、無意味性。などが論じられた。
 現代川柳の詠み・読みの多義性、無意味性から、現代川柳と俳句とはそれ程違わないのではという意見が出た。が、会場からは、だからこそ川柳と俳句の違いを探って欲しいという意見も出て盛り上がった。




第二部 : 句会ライブ―席題は「七五三」―

同じ席題による「俳句・川柳、同時句会ライブ」
【俳句の選】 塩見恵介さん ・ 【川柳の選】 芳賀博子さん

 席題「七五三」で、会場の俳人は川柳を、川柳人は俳句を提出した。俳句は塩見氏が、川柳は芳賀氏が10句を選び、それぞれ1句ずつスクリーンに映して、会場の多数決によって勝敗を決めていった。
 「七五三」は秋の季語なので、川柳・俳句の区別がつきにくい句もたしかに見られた。題を季語として使わず、「七五三以降を知らない電話番号」という川柳があり、「へ〜」という声が漏れた。後で、坪内稔典氏から「私の川柳が選ばれなかったのはとても残念」という言葉があり、会場から笑い声が上がった。

勝敗 俳 句 勝敗 川 柳
× ポケモンも柏手をうち千歳飴 顔ヨガをしてから写真七五三
× ポーズとるイクメンが居る七五三 七五三けたけた笑う森である
前撮りのべべが気になる七五三 × おじゃみじゃみじゃみにぎやかにゆくもうで道
三人目の七五三です普段着で × 五七五と七五三ヒエルグリフで書く
× 七五三鈴なりの柿ファンファーレ 七五三以降を知らない電話番号
× 七五三もう付け睫毛つけている 戦って七五三飴折れました
晴れた空持って帰れば七五三 縁談はご破算今日は七五三
オムライス嫁にゆくなよ七五三 × 清潔な血の色さして七五三
× わたしってキレイ?つんつん七五三 七五三ワタシの未知とキミの未知
写真館の店主二代目七五三 × 七歳と五歳三歳みな居た日




第三部 : 対談 「俳句と川柳―近くて遠い仲」

坪内稔典さん(「船団の会」代表) vs. 木本朱夏さん(「川柳塔」編集長)
          

 木本氏からは、新聞に川柳欄がないなど、現代川柳の置かれている位置の不当さなどのお話があった。坪内氏からは、誰もが覚えられるような名川柳をもっと広めていけばいいのではないか、「サラリーマン川柳」という俳句に絶対できないジャンルをひとつの足場にして川柳を進化させていってはどうか、などの発言があった。会場からも意見が多く出され、軽い興奮のうちに会は終了を迎えた。

写真:秋山泰、中原幸子/レポート:早瀬淳一

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