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言葉を探る−バックナンバー
月刊「e船団」 「香りとことば」2020年1月号

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お雑煮めぐり(おぞうにめぐり)

 令和最初の新年、おめでとうございます。
 「e船団」散在まであとしばし、なにか、ステキな話題がみつかりますよう、と祈りつつ、今年もどうぞよろしくお願いします。

 で、今年はとても楽しみにしていることがあったのです。
 友人から「日本みそ蔵めぐり」というセット(↓)をもらって、

すぐに跳びついて食べそうになって、待てよ、これ、お雑煮にしたらどうやろ、と思いついたのです。日本列島、北から南まで、こんなにいろいろあるのだから、全部お雑煮にしてあげよう!! と。

 北から順に、北海道、宮城、東京、長野、徳島、広島、大分、熊本、と進むべきか。  はたまた、このパックの指示(?)に従って、長野、宮城、大分、徳島、東京、北海道、広島、熊本、と進むべきか。
 うーん、これっていったい、なんの順番なんだろう。と、思いながらビニールの外袋を開けました。すると、中は袋になってないのですね。B4の紙を半分に折って、間に「みそ蔵めぐり」のお味噌汁8袋をはさみ、それをビニールの外袋に納める、という形。
この、B4の紙にアイロンをかけて、シワをのばして、スキャンしたのがこれ(↓)です。


 読めませんよね。はい、「わー、びっしり書かれてる!」と眺めていただくだけでいいんです。私がいちばんびっくりしたのは左のページの上、原材料名の部分(↓)です。


 ご覧の通り、その地域独特の成分が入れられているのですね。
 東京には困ったヨ、という感じですが。
 ますますお雑煮にして食べたい気持ちが高まってきますよね。

 もちろん、お餅も買いました。サトウのまる餅、400グラム入り、338円+税。

 どうやら今年から包装に一大工夫が加わったようで、左下に「ながモチフィルム」、右下に「パリッとスリット」と書かれていて、賞味期限が2021年8月。余ったらこのままほったらかしておけば、来年のお正月もおいしい、ということらしいです。
 で、こんな形で、お正月を待つことに。


 順番には迷いましたが、やっぱり、味噌の生産量、消費量ともに日本一の長野に敬意を表して、長野の「山吹味噌」から。
 「山吹味噌」の原材料は、米みそ、モロヘイヤ、ながいも、かつお昆布だし、乾燥オクラ、酵母エキス、酸化防止剤(V.E)。1食分が8.1グラムで、27kcal、食塩相当量1.6グラム。で、その「山吹味噌」を作っているのが1674年創業の「山吹味噌」という味噌メーカーなんですって。
 とにかく、この表示を眺めていると、味噌元さんの味噌へのハンパない思い入れ、というか、愛情が伝わってきます。
 きっと何気ないけど深い味、というお味なんでしょうね、どれも。

   そうこうしていたら、毎日新聞の余禄(1)に、落語の「味噌豆」の話が出ていました。
 味噌用に煮られた大豆を、若旦那さんがこっそり食べようと、はばかり(トイレ)に入ったら、同じことを考えた小僧さんと鉢合わせ。若旦那さんに「何をしに来た」と訊かれた小僧さんは「お代わりをお持ちしました」と答える、というのがオチだとか。
 ふと思い出したのが祖母のこと。私の祖母は、味噌の大豆はたくさんの人に食べてもらうとおいしい味噌ができるんや、と言っていましたが、父は陰で、大勢に食べてもらうと大豆の比率が減って、米の比率がふえるから美味くなるだけなんやけどな、と言ってました。では、また来月。中原幸子

【1月1日記】
 さて、元日の午前7時。頂きました、「山吹味噌」雑煮。

 そうか、これがお味噌汁の原点なのか、と思いました。舌に、かすかに、塩そのものの味が残って、その塩感がしばらく続くんですね。明日からがとても楽しみです。

【1月2日記】
 さて、2日、北海道の「紅一点」雑煮。

 あ、長野よりちょっと甘め。でも、しっかり塩味が広がります。浮いているのは、もちろん、トウモロコシ。新物が出始めたときの、あの甘さが、見事に保たれていて、唸ってしまいました。ほんと、いいものをいただいたな、いいことを思いついたな。箱根駅伝が、いま、権太坂にさしかかったところで、気が気じゃなく……。

【1月3日記】
 早や、3日、東京の「日の出味噌醸造元・江戸甘味噌合わせ」。


 ふと思いついて、お湯を入れる前も写真を撮ってみました。黒いところはわかめ、白い四角は豆腐です。濃いですね、色も、味も。でも、甘味噌、と表示されている通り、お味は程よく甘く。下町の味、というところでしょうか。

【1月5日記】
 昨日と今日はいつもの朝食がほしくなって、チーズトーストとコーヒーにしてしまいました。で、今日のお昼に広島の「新庄みそ」を。


 色がご覧の通り、うすいベージュ、これぞ白味噌という色で。味もね、甘いと書いて、うまいと読むこともあるようですが、実にそんな感じ。「かきエキス」入りだそう。緑は小松菜とほうれん草、小さな粒々は胡麻です。

【1月7日記】
 今日は大分の「フンドーキン醤油」の「九州の麦みそ」です。今日も、お昼に。


 え? お醤油のメーカーのお味噌? しかも、この変わった名前。 で、ホームページを見に行って分かりました。分銅の形の上に、社長さんの名前の金次郎の金の字が書かれているのです。つまり、「分銅金」だったのですね。なんか、わかってみれば、名前にピッタリの素朴なお味だと納得です。具もお茄子と油揚げで。

【1月8日記】
 今日は北に戻って宮城の「仙台味噌」です。今日も、お昼です。


 なんか、毎日同じお椀で、飽きて来たな、と思って探してみたら、別のが見つかったので、今日はそのお椀です。塩加減が北の方へ戻った感じで、大分の後ではちょっと塩味が強めですね。具は、えのき、ねぎ、油揚げですが、ねぎに歯ごたえがあっていい感じです。

【1月10日記】
 今日は朝です。徳島県「志まや味噌」の「七穀みそ」。


 封を切ると、ぷーんと香りが立ち上る。これまでのは、ほとんど香りがしなくて、フリーズドライだから仕方ないか、と思っていたのですが、これは香りが残っています。しかも、青っぽい香りも! そして、とにかく、ご覧のように具沢山。七穀とは、大豆、米、たかきび、こきび、あわ、ひえ、大麦だそうで、緑の香りはねぎ、この歯ごたえはどうやらごうぼうのようです。残念ながら、私には表現できない複雑なお味です。

【1月11日記】
 とうとう最後、8つ目です。熊本県「松合食品」の「大地の贈り物」。


 これだけが、他と違う白無地の袋なので、その写真も撮ってみました。でも、こうやって2枚並べると、もう、下手が目立ってはずかしいですが。
 それにしても、お味噌汁にトマトとは。それも、おつゆまで赤味がさすほど沢山。お味ももちろん、トマト味です。このぶんなら、ウチはバナナ入れるよ、なんてところもあるかも。楽しいお雑煮巡りでした。

【参考文献】
(1)「余禄」2019年12月24日付毎日新聞朝刊。



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