言葉を探る−バックナンバー
月刊「e船団」 「香りと言葉」2008年12月号/付録


佐々木道誉所持の百七十七種名香

左から右へ読んでください。
漢字は新字体にしました。
「 」内は下記【六国】の表をご参照ください。

名越 「伽」宮一青山朝霧
礒山
薄紅葉 「新伽」梅風
深山路秋風(ことわり)坐主(ざす)
弄郷陸河(りくか)宰府前無名
岩枕芙蓉寒山春浜
夕桜遠矢暁露 「マ」遠景
寒艸林月綾波窓の江
洞庭林鐘竹馬
篠目 「伽」渓竹 あやめ河淀
芳村 「伽」竹葉吐月小雪
桂風風絮楽庭桜早苗
白浪 「マ」晩花漏月
紅葉 「ラ」塩路摧~ 「マナバ」最中 「ラ」
露草 「伽」寒梅六月(をはらい)
雲抄柳花春宵霜夜(みなづき)
雪中春鐘瀧江踏花
薄氷嶺松早梅杜若 「ラ」
秋草 「ラ」春水海棠深山木
初音羽衣長安月端午 「ラ」
鷁首雨夜若紫浜湫
御船山 「新伽」春艸私語(ささやき)
冬松清水藤花寝覚
龍頭花陰夏芦尾上
鹿島送月夕月夜
丹楓暗香唐衣星合
鵜川江の柳花林松雪
稲筵万代 「伽」古郷 「マ」
埋木 「新伽」清風 「ラ」林雪林葉
海月木下 「ラ」村雨
夏簀川若松春蘭宮梅
花水 「新伽」鳥羽田鳳毛秋芝
一声暁月斜月 「伽」小田守
花径軒梅 「ラ」春遊岸松
冬恋 「マ」臘雪映窓五節
松風 「マ」秋山秋の蓮鈴鹿
紅梅 「ラ」仙風残雪 「ラ」五更 「ラ」
女郎花 「ラ」朝明
林鶴新三芳 「新伽」玉章 「マナバ」
夕暮石帯宇治言計
窓梅 「ラ」松葉荒増(あらまし)三の冬
片糸桂林
蘭奢待林下山桜
陰柳白雲槇の戸花窓
寒月山下風 「ラ」法華経一文字
秋風   

 【六 国】
伽 羅「伽」:品位高く、優にして苦味を主とする。高尚なる事雲上人の如し、故に遍昭僧正とする。
羅 国「ラ」:薫り鋭く、苦味を帯びて白檀の如き処あり、凛然たる武士に似たり。業平の表面女色を装へそ、内心の大志を抱けるに比すべし。
眞那加「マ」:薫り軽く、艶にして早く香の失るを良しとす。少し癖有りて愁いを含める女に似たれば小野とす。
眞那蛮「マナバ」:甘味を主とす。銀葉の油ぎるは此香の證なり。他に劣りて卑き処あり。故に山賤の花蔭に休らへる黒主に適すべし。
寸門多羅「ス」:酸味を主とす。品位優ならず。いはゞ商人のよき衣着たりとやいはむ。故に此を安秀と見たつべし。
佐曽羅「サ」:香気冷かにして、酸上品なるは伽羅に紛ふ処あり。高尚なれば、高僧の部として喜撰に擬す。
(付)新伽羅「新伽」:「伽羅」の樹脂が十分に円熟していないものを「新伽羅」分類することがある。 

 【五 味】
蜜を煉る香の甘きが如し。
黄檗(きわだ)の苦きが如し。
丁字の辛きに似たり。
梅実の酸きが如し。
汗の鹹きが如し。

〔参考文献〕
杉本文太郎著『香道』(雄山閣出版、1969年)
~保博行著『香道の歴史事典』(柏書房、2003年)


戻る

トップページ この一句 今週の季語 ことばを探る ブックレビュー クリニック
記事検索 バックナンバー お便り 本屋さん お知らせ 新しいお知らせ