【雑】
| 35 | たきものあはせこれも勝負 声々に鳴く鶯を籠に入れて | 導誉法師 |
| 36 |
二品法親王北野社千句にて うき世の友の我を訪ひつる 花咲きてなど隠れ家のなかるらん 月ぞ霞にかくれかねたる
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導誉法師 関白左大臣 |
| 37 |
日のながきをも夕にぞ知る 見る程はかへらぬ花の木のもとに | 導誉法師 |
| 38 |
花に馴るゝもあはれいつまで かろき身は春の胡蝶の如くにて | 導誉法師 |
| 39 |
佗人のうすき衣のいかならん 蝉のおりはへ鳴かぬ日はなし | 導誉法師 |
| 40 |
煙はおくにこもる呉竹 一夏の身の行ひに世を知らで | 導誉法師 |
| 41 |
古郷は月や主になりぬらん 人はむかしの秋にかはらず | 導誉法師 |
| 42 |
木の葉も露もただ風の音 月見えて跡はまた降るむら時雨 | 導誉法師 |
| 43 |
庭なる霜も月にあらそふ 雪ふらば何事をかは思ふべき | 導誉法師 |
| 44 |
関白報恩寺にて百韻連歌侍りけるに ふすをおこすぞ夜のおこなひ 子(ね)も丑(うし)も六時のうちに定まりて |
導誉法師 |
| 45 |
日も入海の舟をしぞ思ふ 遠山の雲にみゆるはまた隠れ | 導誉法師 |
| 46 |
絵をかけて置く前の花立 雲となる香の煙の一たきに | 導誉法師 |
| 47 |
山路の旅に今出でにけり 古郷のあれしに似たる柴の庵 | 導誉法師 |
| 48 |
鳥の子を重ぬるよさへをさまりて 鳰のふるすの残る芦原 | 導誉法師 |
| 49 |
浦には蜑のかよふそのみち 捨舟の古きや橋となりぬらむ | 導誉法師 |
| 50 |
青地赤地も錦にぞある 争ふは左り右りのきほひ馬 | 導誉法師 |
| 51 |
二品法親王家月次(つきなみ)の連歌に その俤や猶もそふらん たらちねの別れしほどに身は老いて |
導誉法師 |
| 52 |
関白家の月次の連歌に 人こそさかり我は老が身 むかしにも近き遠きはあるものを 捨てしこの世ぞさきの世になる | 導誉法師 周阿法師 |
| 53 |
その馬の尾のながき別路 誰とても羊のあゆみ待つものを | 導誉法師 |
| 54 |
過ぎしはいつの昔なるらん 老ぬればいまみることも覚えぬに | 導誉法師 |
| 55 |
あだなる身こそ頼みがたけれ 捨つれどもすてやられぬは命にて | 導誉法師 |
| 56 |
人も心や仏なるらん このたびは生れがたきに生れきて | 導誉法師 |
| 57 |
陰は小篠の枝の一むら 世を捨つる住家は人にあらそはで | 導誉法師 |
| 58 |
もとの身ながらなどうかるらん 捨つる世はあれどもなきが如くにて | 導誉法師 |