月刊:ことばを探る 最近のバックナンバー

月刊「e船団」 「香りと言葉」2012年1月号

蘇(そ)

 2012年、明けましておめでとうございます。
 今年もどうぞよろしくお願いします。

 どうぞ来年は、地球まるごとよい年でおおわれてほしい、と思いながらこの1月号を書き始めていたところへ、「VENUS」(Vol.23)(1)を頂きました。「国際香りと文化の会」の会報誌で、表紙がこの絵でした(画像をクリックすると大きくなります)。


   ポール・セリュジエの「ブルターニュのアンヌ女公への礼讃」(1922年作、ヤマザキマザック美術館蔵)という絵で、ブルターニュ公国のアンヌ女公が、ブルターニュ地方の聖なる木オークの葉の茂る森の中で、蘇生と成長の象徴である若木に手をかざして祝福する姿、とのこと。
 この絵の背景についてはまったく知らなかったのですが、見た途端に、そこに描かれているアンヌ女公の深い思いと慈しみに満ちた顔と手の表情、3人の騎士たちそれぞれの表情、そして騎士の手の若木にさえも、「祈り」を感じました。

 2011年が国連の定める「国際森林年(the International Year of Forests)」であることに因んで、この「VENUS」のテーマは「樹木・森林」で、その象徴としてこの絵が表紙に掲げられた、そのことの意味がしんしんと体にしみ込んで来るような絵だと思います。  2011年の終わりに、この絵に出会えて、ほんとうによかった、人を助けるどころか、助けてもらうばっかりの私も、祈ることはできる、と思いました。そして、書こうと思っていたことの前に、どうしてもご紹介したくなったのです。(「VENUS」は、バックナンバーも、国際香りと文化の会のホームページで申し込めば買えます)。

 愛読してきた毎日新聞朝刊の高樹のぶ子の連載小説「マルセル」も、今朝、「(・・・)神様はゼッタイ居る!だからあの人の無事を、一緒に祈って!」と終わりましたよね。

 さて、蘇です。
 

 箱のデザインがとても〈新年〉な感じでしょう? 1月はこれだ、と思って。
 「ナカハラさんはチーズが好きなの!? わたしは苦手だけど。でも、蘇、という昔むかしのチーズのようなモノ、奈良で売ってるよ」、と教えてもらって、早速ネットで買ってみました。「西井生乳加工販売所」という味もそっけもない(失礼!)名前のお店の製品で、1箱80グラム入り、1000円。
 これが中味です。横5.2センチ、縦6.0センチ、暑さ2.7センチ。



 包みを開けて、まず匂いを嗅いでみました。当然チーズの匂いを予想していたのですが、これが見事にハズレ。ミルクキャラメルそっくり!
 色もね、ご覧のようにキャラメル色。空気に触れると、あ、あ、あー、と、目に見えて濃くなって行きます。香りはじわじわーとキャラメル感が薄くなっていく。ああ、薄れるぅ・・・という感じ。
 味は、さくさくっとして、なのに舌の上でとろけるような、まったりと温かい味。マイルドな甘さと、かすかな塩味があって、その塩味がだんだん強くなってくる。

 でも、チーズっぽくはないなあ、と、説明書をよく読んでみると、どうやら、いま私たちが食べているチーズとは製法が違うみたいです。お店のホームページに「飛鳥の蘇」誕生までのご苦労が出ています。

   で、ちょっと私も調べてみたのですが、この「飛鳥の蘇」の作り方は「延喜式」(967年施行)に出ている方法のようですね。「日本古代の蘇と酪」(2)からの孫引きですが、それは、

〔延喜式(民部下)〕
作蘇之法,乳大一斗,煎得蘇大一升
蘇を作るの法,乳大一斗,煎して蘇大一升を得.


という記述だそうで、つまり、乳を10分の1に煎じつめなさい、ということですよね。簡単そうだけど、そもそも「乳」が食品というよりは薬という存在だった時代のこと、高貴な方々の口にしか入らなかったことは確か。近江の国から平城宮へ届けられた「生蘓(なまそ)」の荷札が平城宮跡から発掘されたのだとか。これです。


 「ん?」と思われました?私も思いました。「」なんですよね、「」じゃなく。中国での表記は「酥」で、酥と蘇については「酥・醍醐の再現と古代の乳利用に関する研究」(4)に詳しいのですが、「蘓」の字は私が読んだ文献には出て来ませんでした。謎!
 あ、醍醐も興味深いですね。では、また来月。 (中原幸子)

【参考文献】
(1)高島靖弘・廣瀬清一編「VENUS Vol.23」(国際香りと文化の会、2011年)
(2)東野治之・池山紀之著「日本古代の蘇と酪」(『奈良大学紀要第10号』、奈良大学1981年)
(3)奈良文化財研究所 平城宮跡資料館ホームページ「a 古代の乳製品」より
(4)有賀秀子著「酥・醍醐の再現と古代の乳利用に関する研究」(「酪農科学・食品の研究」、1994年4月号)

月刊「e船団」 「香りと言葉」2012年2月号

醍醐(だいご)

 だいご、ダイゴ、とつぶやいてみて浮かんでくる言葉は、醍醐天皇、ゴダイゴ天皇、あれ?後だったかな、御だったかな、醍醐寺、醍醐味、京都の地下鉄に醍醐駅ができたし・・・、というようなところ。
 醍醐味という言葉が、大昔の乳製品からきている、とは聞いていました。が、実は先月号の「蘇」の味が醍醐味、みたいな、不十分な、ハッキリ言えば、間違った知識でした。  それにしても、いま、この、世界中のおいしいモノが氾濫する中で食べても「おいしい!」と思ったのですから、大したものです。

   こんな美味なるものをどうやって作っていたのか、の、もうひとつの方法が、先月おしまいにちょっとご紹介した、有賀秀子・帯広畜産大学教授(論文発表当時)の「酥・醍醐の再現と古代の乳利用に関する研究」(1)に出ています。
 この論文では牛乳の五味といわれる「乳・酪・生酥・熟酥・醍醐」が実に綿密に調べられているのですが、ありがたいのは、文献調査にとどまらず、実際に作って、4200人もの人に食べて貰った結果まで報告されていることです。

 この論文によりますと、日本人は薬として、また食品としての牛乳の利用を、まずその搾り方からして、中国から、朝鮮経由で、教わった、といいます。そして、「牛乳の飲用や効能をわが国に伝える力になったのは、仏教であるという判断がある。仏教では肉食を禁じているが、牛乳についてはその飲用を認めているのみならず、牛乳・酸乳・バターなどは供物として神聖視されていた。」とも述べています。
 これが6世紀ごろのこと。

 ところで、週刊朝日百科「世界の食べもの」125号(「乳と乳製品の文化」)(2)はこんな風に始まります。

乳利用の歴史

 狩猟採集や農耕がもたらす肉食も果食も、要は雑食性動物である人間のカーニボラス(肉食的)かつハービボラス(草食的)な特徴の反映であり、雑食的傾向をもちはじめた高等猿類の食性の延長としてみることも、不可能ではない。ただし猿が他の哺乳(ほにゅう)類の乳を飲むという話は聞いたことがない。人間は哺乳類に属する。哺乳動物はすべて、幼児期に母乳を飲んで過ごす。そしてやがて、それぞれに肉食なり草食なり固有の食性を獲得して離乳し、けっして他の哺乳類の乳を飲まないのが原則だ。爬虫類のなかには、羊の乳を吸うものがいるが、哺乳類のなかでは、人間のみが他の哺乳類の乳を食用とするようになった。  いったいだれがこんなことを思いついたのだろうか。ローマの創立者であるロムルスは、狼の乳を吸って育ったという。しかし、それは神話である。民族誌的記述で、じかに動物の乳を吸う話は聞いたことがない。家畜化のある段階で、母を失った子のために、他の動物の乳をとるということが考え出されたのであろうか。
牧畜、それは動物を肉として殺すのではなく、飼って増殖して、部分的果実としての乳や肉を得る生活である。それは巧妙な食物獲得の戦略であり、人と動物の共生の姿である。人類は家畜化を通じて、水の得られぬ砂漠でも、自らついてきて水分とたんぱくを供給してくれる生きたドリンクス・マシンをえ、乳利用でその生活域を大いに広げえた。しかし、同時に、乳用家畜飼養という生活は、動物にも人間にも、種々の強制を課したことも事実である。
(後略)

 長い引用になってしまいましたが、それにしても、この短い文章にこの内容。なんという名文!
 いえ、名文というだけでは足りないですね。あまりにも奥深い、というか、ゆたかな、というか、そういう世界が展開されていて、こう簡単に引用していいのだろうか、と思ってしまいます。筆者は谷泰(ゆたか)京大教授(執筆当時。現・名誉教授)です。

 このすぐ後に、紀元前3000年紀、メソポタミア初期第3王朝期のテル・アル・ウバイド宮殿のレリーフに見られる乳利用の図、というのが掲げられていて、
乳利用の図

右から左に、子牛を使った催乳による搾乳、乳を容器に入れて分離しているところなどが描かれ、乳利用文化の存在を明らかに示している、と解説されている。

このころから3000年以上もたって、日本でも乳が利用されはじめるのですね。 日本では、他の哺乳類の乳を飲む、ということがこんなにも遅く、他国の人に教わって初めてスタートした、ということには、何か深い訳がありそうに思えます、よね?まさか、誰も思いつかなかった、とは思えませんもの。誰か研究しておられるかしら。

   さて、しかし、スタートしてみれば、おいしい蘇が作られたのは、先月ご紹介した通りです。あれは延喜式に出ている方法でしたが、有賀氏らはあえて中国の本草書、『本草綱目』に基づいて作った、といいます。氏の論文の最後に書かれているのですが、延喜式の方法では、出来た「蘇」を食べるのが目的であり、一方『本草綱目』では「酥」は「醍醐」に至る通過点であることを考えれば、当然でしょうね。その実験の流れがこの図です。

醍醐作りの流れ図

 牛乳を原料の3割程度になるまで加熱し、静置して上澄みを除き、凝固した部分を更に加熱すると熟酥と呼ばれるものになる。ここが延喜式の蘇とちがうところで、延喜式ではこの工程を経ず、乳全体が濃縮されている。この熟酥を一旦冷やして凝固させ、溝をつけて(又は穴をあけて)、38度〜43℃に保つと、オイル状のものがにじみ出る、それが醍醐、そしてそのえもいわれぬ味が醍醐味というわけ。
 有賀氏らはこうして得られた熟酥や醍醐を科学的に綿密に分析し、熟酥が加熱濃縮系食品であり、醍醐はバターオイルである、との結論を得たのです。

   まあ、要するに、蘇も酥も醍醐も、どれもチーズではないわけで、私はいったいどこから蘇は昔のチーズだという知識を仕入れたものやら。
 でも、やっと正しい知識にたどり着いたのだから、それはいいとして、前述のように有賀氏らは出来た酥の味をちゃんと報告してくれている。
 室温だと口中で滑らかに融ける感じを与え、スティック状で凍結して食べると適度な歯ごたえと口当たりが感じられて、ホワイトチョコレートを少し淡泊にしたような風味だそう。  帯広市、旭川市、札幌市で行われた男性1200名、女性3000名に及ぶ嗜好調査では80〜85%が好むと答えた!
 もちろん、昔の人がお八つに、「おいしいね!」と食べていた訳はなく、貴重な貴重なお薬だったわけですが、でも、ホワイトチョコだと思って、今年のバレンタインデーは、蘇でいく、というのもいいかも知れませんね。ではまた来月。 (中原幸子)

【参考文献】
(1)有賀秀子著「酥・醍醐の再現と古代の乳利用に関する研究」(「酪農科学・食品の研究」、1994年4月号)
(2)「週刊 朝日百科」No.125(朝日新聞社、1983年)

月刊「e船団」 「香りと言葉」2012年3月号

キーウィ

 とうとう、キーウィに会えました。
 天王寺動物園・南園の東の隅っこ、夜行性動物舎。日本でただ1か所、ここだけで見ることのできる、天王寺動物園の人気者です。
 ホームページの電子動物図鑑によりますと、


(この写真も引用です。撮影禁止なので・・・。)

 和名:キーウィ
 綱:鳥綱
 目:キーウィ目
 科:キーウィ科
 英名: North Island Brown Kiwi
 学名: Apteryx australis mantelli
 記事:長いくちばしで、土の中の昆虫やミミズを見つけて食べます。 夜行性でにおいに敏感、くちばしの先に鼻の穴があります。 体に比べてとても大きな卵を産みます。


 あ、言い忘れましたが、この日は毎日新聞社の「坪内稔典先生と俳句ウォーク―カバを見に行こう」の日でした。園内を歩きはじめる前に飼育員の方の説明があり、そこで、同園の人気者、キーウィが紹介されたのです。「果物のキーウィに似ているからキーウィという名前が付いたと思われるでしょうが、逆なのですよ。果物の方がこの鳥に似ているのでキーウイと呼ばれたのです。キーウィの名はキー・ウィーと鳴くところから・・・」とか・・・。  キーウィという名の鳥がいるのは知っていました。クチバシの先などというヘンなところに鼻の穴があって、そこで地中のミミズを探し当てて餌にする。鳥類は普通嗅覚が鈍いけれど、キーウイの嗅覚はとても鋭敏だ・・・とか。しまったなあ、友だちにもそう言ってしまったんです。でも、これがとんでもない間違いで・・・。

 ひょいと手に取った『日本の名随筆48 香』に「生物の嗅覚と習性」(1)という文があり、こんなことが書かれていたのです。ちなみに、著者・諸江辰男氏は日本最大の香料会社、高砂香料工業株式会社で副社長を勤め、また日本香料協会の理事などもされて、いわば日本の香料文化のリーダーの1人であると同時に、エッセイの名手、おまけに歌集『香曼荼羅』も。

 生物の嗅覚と習性(以下、漢数字は算用数字に変えました)

 『朝日新聞』の科学欄に鳥の嗅覚について面白い記事があった(84年5月8日)。
 従来、鳥は地上の磁気を頼りに遠距離を飛ぶという説が有力であった。すなわち鳥の体内に磁力時計のようなものがあり、これによりコースを誤ることなく目的地に達するといわれていた。しかし一方1971年にイタリアのピサ大学のある動物学者が鳩は嗅覚で目的地まで飛ぶという学説を発表した。立証の詳細は不詳であった。
 ところが西ドイツのババリヤ州のマックス・プランク生理学研究所の研究者は伝書鳩を使った実験を行ない、伝書鳩は嗅覚で方向を確認し目的地に到達するという学説が正しいことを立証したと発表した。実験の結果、伝書鳩は通常700キロ離れたところから飼主のもとへ戻ってくることが出来るが、嗅覚を損なった伝書鳩の目的地到達可能距離はわずか50キロに過ぎないことがわかった。この実験が正しいとすれば先のピサ大学の動物学者の説が当たったわけで、鳩の嗅覚は驚くほど鋭敏なものといえる。


 諸江はこれに続いてミツバチやキハダマグロ、鮭や鱒などの嗅覚について述べたあとで、(目的地に到達する能力を)「一説で片付けるのは早計のように思われる。従って、現在はこれらの習性は体内磁石説と嗅覚説の双方を兼ねた両説をもって解釈するのが妥当と思っている」としている。

   そして、このエッセーが書かれてから4半世紀ほど後、2010年に出た『鳥脳力』(2)には「鳥脳のナビゲーション・システム」という章があり、そこには、「ハトは長距離の帰巣には太陽コンパス、磁気、嗅覚、聴覚などさまざまな手がかりを使うが、巣に近づき、周辺の地形が視覚的にわかるようになると視覚手がかりを使うことが知られている」と書かれています。
 で、嗅覚はどう働くのかというと、鳥脳にはちゃんと、「聴覚地図」や「嗅覚地図」があるのだというのですね。

 嗅覚刺激は揮発性のもので、しかも気流に乗って運ばれる。このことはちょっと考えるとたいへん不安定なものに思える。ドイツのヴュルツブルグ周辺の300キロメートル四方の空気を集めてガスクロマトグラフィーで分析した結果がある。6種類の炭化水素を調べるとたしかに場所によって含有量に差があり、図にしてみるとある種の地図のようなものが描ける。では、風が吹くとどうなるのだろうか。じつは風は一定の方向に吹くのであって、でたらめに空気をかき混ぜるものではない。もし、ハトが風の方向を弁別できれば嗅覚地図は立派に役に立つのである。

   つまり、私たち人間が目で見る地図だけではなく、聞き覚えのある音や香りを頼りに目的地への道を曲がるように、ハトもいろんな情報を上手に使っている、というわけです。
 と、なると、伝書鳩が遙か700キロ彼方の目的地へ正しく飛べるのが嗅覚だけによるのではないことは確かなようですが、でも、鳥の嗅覚はニブイどころか超スルドイことだけははっきりしましたよね。
 ところが、鳥の嗅覚はニブイ、というのは私だけの思い込みではなかったのですね。 ネットで百科(4)の「鳥類」の項にもそう書かれているのです。

【形態と生理】
 鳥類は地球上のほとんどあらゆる環境に適応して生活しているが,体制や形態の著しく異なったものはいない。これは,空を飛ぶためには種々の空気力学的諸条件を満たさねばならず,したがって,ある限られた範囲内でしか多様化できなかったせいである。ダチョウやペンギンのように飛翔力のない鳥でも,骨格や四肢が他の鳥と大きく違っていないのは,彼らが比較的近い過去に飛ぶことのできた祖先から進化してきたことを示唆している。もちろん,飛べない鳥では翼が多少とも退化しており,陸鳥には陸鳥としての,また水鳥には水鳥としての適応がある。しかし,鳥類ほど形態変化の乏しい動物は少ない。一方,ほとんどの鳥は昼間活動し,視力がすぐれているので,さまざまの羽色や飾羽が発達している。事実,鳥には美しいものが多く,種々のにおいをもつようになった哺乳類が嗅覚 (きゆうかく) の動物であるのに対し,鳥類は視覚の動物といわれる。

[感覚]
 感覚では,飛翔と関連して視覚が著しく発達し,また聴覚もよく発達している。一方,嗅覚,味覚,触覚はあまり発達していない
(以下略)

 うーん、なんでこうなったの?
 ひとつ、そうか、と思いついたことがあります。

 嗅覚ってものは、広辞苑によれば、
 においの感覚。揮発性物質が嗅覚器の感覚細胞に化学的刺激を及ぼすことによって生じる化学感覚。

です。そして、『におい物質の特性と分析・評価』(3)の冒頭には、

 既存の有機化合物はひとくちに約200万種といわれているが、その1/5の約40万種ににおいがあると考えられている。(中略)
 においは、におい物質が存在してそこから微粒子が気相に拡散して正常な嗅細胞に受容されて初めてにおいの存在が顕在化する。そのためにおいを論じるには、におい物質と嗅覚の両側面をよく理解する必要がある。(後略)

とあります。
 つまり、ヒトにとってはヒトの嗅覚に感じる物質がにおい物質であり、ハトにとってはハトの嗅覚に感じる物質がにおい物資であり、そしてキーウィにとってはキーウィの嗅覚に感じる物質がにおい物質である、ということです。
なのに、昔は、鳥の嗅覚を研究するのに、ヒトのにおい物質を使ったのじゃないでしょうか?これは私の暴論でしょうか?面白くなってきましたねえ。
 それに、ミミズってどんなニオイなのでしょうか?誰か研究しているのでしょうか?
 皆さま、是非、ミミズのニオイの情報をお寄せ下さい。
 では、また来月。 (中原幸子)


【参考文献】
(1)諸江辰男著「生物の嗅覚と習性」(塚本邦雄編『日本の名随筆48 香』、作品社、P214、1986年)
(2)渡辺茂著『鳥脳力』(DOJIN選書032、株式会社化学同人、2010年)
(3)川崎通昭・中島基貴・外池光雄編著『におい物質の特性と分析・評価』(フレグランスジャーナル社、2003年)
(4)ネットで百科(有料):http://www.mypaedia.jp/netencyhome/

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