2019年3月 1日〜10日
2019年2月 1日〜10日 11日〜20日 21日〜28日
2019年1月 1日〜10日 11日〜20日 21日〜31日

2018年2017年2016年2015年2014年2013年2012年2011年2010年2009年5/18から

日刊:この一句 バックナンバー
2009年2008年2007年2006年2005年2004年2003年2002年2001年

2019年3月20日

球春の赤いグローブ膝に置く

鶴濱節子

 球春である。この句、『船団の俳句』から。彼女は私の近所の俳人。箕面市市民俳句会の会計、庶務係をやってもらっている。(坪内稔典)


2019年3月19日

春の壜の底にいるようで、泣いた

河野祐子

 『船団の俳句』から。これ、祐子さんの傑作だ。どこが傑作かは読者が考えてほしい。(坪内稔典)


2019年3月18日

デコポンとセックスしたいなどと春

坪内稔典

 本阿弥書店の雑誌「俳壇」4月号から。この号にはぼくの句「老人もデコポンも」50句が出ている。(坪内稔典)


2019年3月17日

猫の居たかたちに春のあたたかさ

内野聖子

 うん、これ、暖かそう。内野さんは下関に住む。いつか彼女とフグを食べたい。『船団の俳句』から引いた。(坪内稔典)


2019年3月16日

島ひとつ手のひらに乗せ春の昼

赤坂恒子

 『船団の俳句』(本阿弥書店)から。この句の光景、いいなあ。ついでに、赤坂さん、ぼくも乗せて欲しいよ。(坪内稔典)


2019年3月15日

制服に掛けるビニール鳥帰る

原ゆき

 『朝ごはんと俳句365日』から。卒業した人の制服、あるいは4月から使う新しい制服? 季語「鳥帰る」のニュアンスからすると前者か。ちなみに、ゆきさんの朝ごはんは、祖母ゆずりのおにぎり、「やっと形をなすくらいにやわらかくむすんで」「味噌をすっとひと塗り」する。うまそう。(坪内稔典)


2019年3月14日

草摘に出し万葉の男かな

高浜虚子

 ここ数日の虚子の句は句集『五百句』から引いているが、「万葉の男」は「籠(こ)もよ、御籠(みこ)持ち…」の雄略天皇、あるいは「春の野に菫摘みにと…」の山部赤人を連想させる。今が万葉時代と重なったすてきな句ではないか。(坪内稔典)


2019年3月13日

春寒のよりそひ行けば人目ある

高浜虚子

 昨日の句に比べると分かると思うが、こちらは生活文化としての俳句、すなわち、「ホトトギス俳句」である。かつて「ホトトギス俳句」が、そして今は「プレバト俳句」が生活俳句としてときめいている。高校生の「甲子園俳句」「NHK俳壇俳句」なども同様だ。(坪内稔典)


2019年3月12日

鎌倉を驚かしたる余寒あり

高浜虚子

 余寒が「鎌倉を驚かした」という表現が意表を突く。鎌倉という言葉は鎌倉幕府を連想させるので、「すわ、一大事か」という感じもある。季語の「余寒」が多義的なふくらみを帯びているのだ。
 虚子は生活文化としての俳句を組織化し、「ホトトギス」王国を形成した。ホトトギス俳句の伝統とは、生活俳句としての伝統である。ただ、虚子自身は、ときどき生活俳句のレベルから逸脱した。今日の余寒の句のように。(坪内稔典)


2019年3月11日

春風や山紫に水青し

正岡子規

 昨日に続いて子規の月並み句をあげた。これは新井満のCDブック『春や昔』(学校図書)から。
 月並み句、すなわち生活文化としての俳句が生き生きとしている今日的風景は、夏井いつきさんが活躍するテレビ「プレバト」である。(坪内稔典)


戻る今週のねんてんバックナンバー 2009年5/17まで  2008年後半