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2017年4月22日

春昼のごみ箱いつも待つかたち

早瀬淳一

 「船団」110号の第8回船団賞受賞作品から引いた。ごみ箱を「待つかたち」と表現したところがおかしい。ユニークでもある。ごみ箱の句のこれは傑作だ。
 正岡子規はベストセラーになった中江兆民の本『一年有半』を浅薄と評した。その評価の一因には兆民の俳句観が影響していたかもしれない。兆民は『一年有半』において、「和歌僅々三十一字、是れ世界文章中小品の又小品也、万葉、古今既に在り、後人は唯陳腐の文字を並列するのみ」と言い、陳腐になるのは「体制甚だ小にして、意を致し舗陳するに処無きが故」と論じていた。そして「俳句川柳も亦同じ」と。以上の見方、小さな詩形に熱中していた子規から見れば浅薄だった。


2017年4月21日

飯蛸のこいつは不義理していそう

児玉硝子

 不義理な飯蛸! よい味かも。醤油で少し甘く似た飯蛸が私は好き。今日の句、「船団」110号から引いた。
 以下は昨日の続き。坪内逍遥の「小説神髄」は近代小説に理論的根拠を与えた評論だが、逍遥はここで、和歌や俳句は時代遅れ、野蛮な世の詩歌だ、と述べている。西洋の詩、すなわちポエトリーは小説のように長く、そこでは思想が表現されている、という次第。もっとも、彼は和歌や俳句が嫌いではなく、しばしば作りもした。ともあれ、「小説神髄」の出た明治20年前後、逍遥などの目には俳句はひどく時代遅れと見えていた。


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