俳句 e船団 今週のねんてん バックナンバー

ねんてんの今日の一句 バックナンバー
2012年1月 1日〜10日 11日〜20日 21日〜31日
2011年2010年2009年5/18から

2012年2月5日
たんぽぽのぽぽともえ出る焼野かな

友久

 焼野(やけの)は野焼きをした後の野。「もえ出る」は萌え出る、すなわち芽が出たというのだろう。芽からぽぽという鼓の音を聞いている。たんぽぽは鼓草とも言うのだ。それにしても、「たんぽぽのぽぽ」という言い方がはるかな昔にあったことは驚きだ。この句、『続山井』(1667年刊)にあり、作者の友久は大阪の人。

2012年2月4日
春の雪パソコンしたり猫したり

中原幸子

 今日は立春。雪の春だ。この句、先日の句会に出たのだが、「猫したり」が話題になった。猫の相手をしたというのではなく、自分が猫のようにふるまったという意味だが、こういう言い方には抵抗を覚える人もいた。私は季語「春の雪」の気分としてこの言い方を理解し賛成した。
 「春はまだまだ浅ければスリムスリム那智の大瀧風に揺れ居り」。佐佐木幸綱歌集『ムーンウォーク』(ながらみ書房)から引いた。滝が「瀧している」。

2012年2月3日
僕の愛一語でいえばカキフライ

木村和也

 君はカキフライみたい。カキフライ食べに行こう。カキフライが食べたいなあ。以上のような言い方がすべて愛の言葉だ、今日の句によれば。私もカキフライが好き、だから、好きな人と食べたい。今日の句、「船団」89号の会員作品欄から採った。今までにない新鮮なカキフライの句だ。
 今日は節分。私も厄を落とそう。

2012年2月2日
寒いけどわたくしかなり生きてます

金成愛

 明日は節分で4日は立春。でも、今の時期が一番寒い。今日の句、今の時期につぶやいたような感じだ。「船団」89号の会員作品欄から引いた。愛は男性、今、俳句にのめり込んでいる感じで作っている。「竜天にネズミがチョコを食べたから」も愛の作。
 雑誌「短歌往来」に盛田帝子の「近世和歌を歩く」が連載されており、2月号では烏丸光栄の歌論を紹介している。「心の真実」(誠)の表現が歌では一番大事だという歌論。でもその光栄の歌が少しも知られていないのはなぜだろう。結局、その歌論がつまらないからでは?心の真実を説く人はだいたいいかがわしい。盛田さん(この人、知人である)、そうではないですか。

2012年2月1日
そうだったフランスパンと蕗の薹

尾崎淳子

 「そうだった」とは、フランスパンと蕗の薹を用意しなくちゃ、ということだろう。うん、この2つ、朝食としてよい取り合わせという感じがする。この句、「船団」89号の会員作品欄から引いた。「みそ汁も冬も好きです啄木も」も淳子の作。なんだか好みが合うなあ。
 「季節はあちらのほうでそろそろ明るくて、折り畳まれない自転車になる」。雑誌「短歌往来」2月号の「今月の新人」欄にあった吉田恭太の作。1989年生まれだという。この歌、2月という季節を感じさせないだろうか。

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