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日刊:この一句 バックナンバー
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2019年7月31日

豚はポークに牛はビーフに遠くに蝉

芳野ヒロユキ

 「船団」115号から。傑作である。豚と牛から蝉への転換が軽やかで意外性に富む。思わず笑ってしまうところがとてもいいのである。
 「今日の一句」を今日で終わる。明日以降、私の発信はfacebookとかハガキ、各種の集まり、そして本などになるだろう。では、みなさん、いったん、さようなら。(坪内稔典)


2019年7月30日

夏川のあなたに友を訪ふ日かな

正岡子規

 川向こうの友を訪ねた、という句だが、橋を渡るか、渡し船で川を渡るのだろう。今だと自動車でさっと行くが、それでは「友を訪ふ日」の風情を欠く。ゆっくりと、ゆったりと友を訪う、その風情、いいではないか。(坪内稔典)


2019年7月29日

夏山にもたれてあるじ何を読む

正岡子規

 夏山にもたれて、がいいなあ。避暑の宿の光景を連想する。もっとも、この句には前書きがあり、神戸に居た友人の竹村錬卿の家を訪ねた際の感慨である。でも、作者の体験にこだわって鑑賞する必要はない。作者を離れて句は育つ。(坪内稔典)


2019年7月28日

兜虫漆黒なり吾汗ばめる

石田波郷

 句集『鶴の眼』(1939年)にある句。硬くて漆黒の兜虫と、汗をかくやわらかな自分との対照がおもしろい。対照的でありながら、二つは同格でもあるだろう。(坪内稔典)


2019年7月27日

無花果の中に蟻ゐる父の庭

藤井なお子

 近刊の句集『ブロンズ兎』(ふらんす堂)から。父は蟻が平気、息をふっかけて蟻を飛ばし、平然と無花果を食べるだろう。そのような父が私の理想だった。
 このところ、本の売れないことがとても気になっている。売れないことに安住してはいけないと思うのだが、何か方途があるだろうか。売れるとは別の何か、を探したい。でも、売れることもとても大事。(坪内稔典)


2019年7月26日

空蝉のほかに良いものなどなくて

藤井なお子

 近刊の句集『ブロンズ兎』(ふらんす堂)から。ときにだが、私も今日の句の気分になる。空蝉が一番精巧、そして端正と見える日があるのだ。やや虚無的な気分の日などに。
 「NHK俳句」8月号に「私の愛着の一句」を書いた。見てほしい。(坪内稔典)


2019年7月25日

また百合となるため百合の崩れけり

三好万美

 この句、好きだなあ。なにかになるために崩れなくてはならない、という思いに強く共感する。
 船団の会の活動は2020年6月を持って完結する。会員は散在し、それぞれに自発的に活動する。「今日の一句」のちょっと早い終了も会の完結に連動している、と見てもらえばよい。私も次を模索したい。(坪内稔典)


2019年7月24日

あの頃の夏野みたいに君といる

藪ノ内君代

 「船団」116号から。おおざっぱな句だが、口語の口調がゆったりしていて、とても気分のいい句だ。
 この春から、私はやや冗談で著述業を名乗っている。昨日の話の続きだが、著述業者としては「売れない」が一番こたえる。で、この「今日の一句」の終了を即決した。(坪内稔典)


2019年7月23日

湯殿山銭ふむ道の泪かな

曽良

 高柳克弘著『蕉門の一句』(ふらんす堂)から。この本、「365日入門シリーズ」の一冊で、蕉門の人々の句を365日に振り分けて鑑賞している。今日の句は湯殿山参詣の慣行を詠んでいる。詳細は本を買ってどうぞ。
 「今日の一句」をこの入門シリーズみたいにまとめてみたい、とある場所で話したら、もっとも身内と思っていた人たちから、「売れない、誰が買いますか」と言下に否定された。ショックだった。そうか、売れもしないものを長々と書いて来たのか、と情けなくなった。(坪内稔典)


2019年7月22日

すかんたこ噛みきれなくて生の蛸

村上栄子

 昨日と同じく『俳句の杜2019』から。響きが楽しい。蛸の句の傑作だ。
 この「今日の一句」はe船団が始まって以来、書き続けた。途中で一時、別の筆者に替わってもらったこともあるが、長く長く書いた。愛読してくださった方々、ありがとう。今月末でいよいよ終了だ。(坪内稔典)


2019年7月21日

鱧食べて活断層は動いたか

衛藤夏子

 俳句選集『俳句の杜2019』(本阿弥書店)から。鱧と活断層の取り合わせが新鮮。両者に通じているのは凶暴性かも。
 この「今日の一句」、長く書き続けてきたが7月いっぱいでもうやめる。担当者の中原幸子さん、そして外から助力をいただいた飯塚英雄さんに感謝する。(坪内稔典)


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