2010年2月7日

早春(そうしゅん)

 冬のはじめ、植木鉢のコニファーの木に褐色の大きい蟷螂がいるのに気づいた。頭を地面、お尻は上に向けた姿勢で細い幹にしがみついている。近づいても身動き一つしない。よく見るとお尻のほうに草餅色の卵があるのに気づいた。1センチほどの小振りなものだが3本ほどの筋がついている。3センチほどのは何度も見たが、こんなに小さな卵は見たことがない。もしかしたらこの蟷螂、わたしと目が会ったことで産卵を途中で止めたのかもしれない。20分もすると卵は草餅色から褐色の幹と同じ色の保護色に変わった。
 立春も過ぎた今では木の瘡蓋のようだ。雪も降らないこの冬、春は早くやってくるかもしれない。日当たりのいい場所だから、邪魔者扱いしないから、早く蟷螂の誕生を見たいとわたしも早春の日差しに当たっている。

(陽山道子(船団の会 会務委員))


[今週の季語]・[新季語拾遺]バックナンバー

ねんてんの今日の一句 俳句時評 今週の季語 ブックレビュー クリニック ことばを探る
トップページ 記事検索 バックナンバー 本屋さん お便り お知らせ