2019年7月14日

巴里祭(パリさい)

 忘れられない一枚の絵がある。左手に銃剣つきマスケット銃、右手に自由・平等・博愛の意味を持つトリコロールカラーの旗を掲げる女性。闇の中にすっくと立つ光のようにまぶしい。中学校の美術の教科書、また歴史教科書の挿絵として載っていたと記憶する。フランスロマン主義の巨匠ウジェーヌ・ドラクロワの代表作「民衆を率いる自由の女神」。テーマはフランス7月革命。
 ところで、勤務先の学校で「作家の高村薫は私の伯母です。」と屈託のない表情で伝えてくれる14歳の少女がいる。休みの日には友人と別荘で、一晩中、中原中也の詩などの朗読をして楽しむのだ、とも。ひょっとすると「自由の女神」は案外近くにいるのかも、と感じたりする今日この頃。
(村上栄子、「船団の会」会務委員)


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