2017年11月12日

十一月(じゅういちがつ)

  時々、道を尋ねられる。近所の横断歩道で信号待ちしている時に学校、商店街を歩いている時には病院だった。どの人も近くまで来ているのに迷っているという感じで、方向音痴な私でもなんとか道順を説明できる範囲内。道ではないが、この間は大阪の駅のホームで「蛍池に行きますか?」と聞かれ「わからないです」と答えるとちょっと怪訝な表情。「京都から来たので」と伝えると、合点!というふうに去って行かれた。でも電車が来て乗ったらその蛍池駅に停車した。ふと、その人のことが思い浮かんだのだった。先日は雲一つない空、近くの桜の落ち葉の道を歩いた。その道で去年の桜満開の頃にドラッグストアを尋ねられたことを思い出した。もしかしたら道を尋ねたり、尋ねられたりするのは好きかも知れない。のほほんとしているうちに早くも十一月半ば。
(藪ノ内君代、「船団の会」会務委員)


トップへ戻る [今週の季語]・[新季語拾遺]バックナンバー