2020年1月19日

海鼠(なまこ)

 夏目漱石は、『吾輩は猫である』のなかで、「海鼠をはじめて食ったひとの勇気と精神力に敬服する」という趣旨のことを書いている。同様のことは、西洋の小話にもあるらしい。
 ナマコは、料理屋で出てくる「ナマコ酢」(これがコリコリ・あっさりして珍味だ)では食欲がわくのに、実物はグロテスクだ(私はもちろんそのまま食べようとは思わない)。さらに、その生態などは実におもしろい。
 この落差は、俳句にとって格好の俳味ある素材だ。
 たとえば、私もかつてこんな句をつくったことがある。
 「まえむきにバックしてます赤海鼠」  いかがでしょうか?
(秋山 泰、「船団の会」会務委員)


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