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2010年8月29日 秋(あき) まもなく夏休みが終わる。夏休みの宿題に「どくだみ採り」があった。全校児童60人程の小学生時代の話。夏休み中にどくだみを採り、これを学校でまとめて薬屋に売り、備品を買うのである。年齢によって採る量が決められており、それ以上を採った子には、相応のお金が貰える。友達と待ち合わせて山に行き、採ったどくだみは軒下に吊して乾燥をする。こんな日々を繰り返す。夏休みが終わると、数日に分けて背負って登校し、講堂に書かれた自分の名前の場所に積上げる。薬屋が買いに来る日の早朝、私達は講堂に水を運び、乾燥させた自分のどくだみに、ばれない程度に水を掛ける。少しは重くなるはず。いよいよ薬屋がやって来て、量った重さを各自の札に書いて行く。私達は、まるで競り市のように見守る。秋の運動会、鼓笛隊の太鼓が新しくなった。 (岡 清秀(船団の会 会務委員)) 2010年8月22日 残暑(ざんしょ)
どつどど どどうど どどうど どどう (山田まさ子(船団の会 会務委員)) 2010年8月15日 秋めく(あきめく) 道端のカンナや露草、遠くに見える西山と東山の稜線、鴨川の水辺にと秋がひそやかに漂い始めてる感じ。いつも、帰り道に乗る奈良行きの電車は夕暮どきにもかかわらずあまり混んでいない。本を読む人、ケータイでメールやゲームをしている人がちらほら。冷房の効いた車窓を流れる風景には西の空に広がる美しい夕焼けと東寺の五重塔。小林一茶に「塔ばかり見えて東寺は夏木立」という五重塔を詠んだ俳句もありなんとなくうれしく、その高い塔を電車の中から束の間見る癖がついている。あわただしい日常のあわいに、ほんとうの秋を待つ心持ちも少し。夏と秋のまざりあう微妙な今時分は好きな季節だ。 (薮ノ内君代(船団の会 会務委員)) 2010年8月8日 登山宿(とざんやど) 朝、視界十メートル。意見が割れる。この強い吹き降りのガス(霧)の尾根を縦走するのはばかげている。景色なぞ見えないし、足元も危険だ。明日も悪天の予報だし、下山して温泉宿をさがそう。下界は猛暑の今、寒いガス尾根を足元だけを見つめ、予定通り今日の目的地を目指そう。それこそ夏山の醍醐味だ。吹雪になるわけじゃなし。三対三。残る一人の案。行程四分の一程の所にある第一ピークまで登り、そこで引き返すか、縦走を続けるか決めたらええじゃん。そして山小屋の玄関土間で靴を履いている時、縦走派の一人の登山靴の底ゴムがはがれかけていて、このままでは縦走どころか下山すら心もとない状態であるのが判明したのである。 (宮嵜 亀(船団の会 会務委員)) 2010年8月1日 麦茶(むぎちゃ)
暑い日が続く。熱中症の被害が連日報道されている。水分補給のために私は麦茶を飲んでいる。今はコンビ二でも手軽に清涼飲料水や麦茶を買うことができる。 (藤田亜未(船団の会 会務委員)) 2010年7月25日 水泳(すいえい) 梅雨が明けるといっきに真夏日。海やプールは人がぶつかりあうほどの人出らしい。 小学二年生の孫は、水に親しむことが夏休みの課題なのだが「ボクは泳げなくてもいい」と腰に手をあて自信たっぷりに言う。お風呂は平気だが顔に水がかかることを嫌うからシャンプーは嫌い。三歳のころは、海に行っても波打ちぎわには行かなかった。小石を投げて遊ぼうと誘っても投げた小石が海に届かない。そんな彼だが走るのは得意でリレーなど学年代表として走ったりする。それにしても、水が苦手というのは遺伝するのだろうか。実はわたしも泳ぐのは苦手。なぜ体が水に浮かぶのか分からない。彼もわたしも水による怖い経験などまったくないのにもかかわらずだ。ふと、血脈というものを感じたりしている。 (陽山道子(船団の会 会務委員)) 2010年7月18日 射干(ひおうぎ) 山鉾巡行は昨日終ったが、祇園祭は七月いっぱい続く。船鉾町の古い商家を覗くと上り框の衝立の前に、それは見事に射干を活けてあった。京都では祇園祭の花として、射干を活ける。この晴れの日のしつらえに京都の主婦の腕が披露される。射干の茎は堅く、濡れた手が滑り何度も指のほうを剱山に突き刺し、痛い思いをして上達する。葉を組み直し、各流儀の格式に堂々と活けあがる。下手が活けると見る間に形が崩れたり、ばたんと倒れていたりする。毎日花が落ち、暑い京都の町家で次々に咲き続く。花が終っても花瓶などに挿しておくと、ある日、野昼ハ(ぬばたま)という漆黒の実が光っている。射干を習い始めたとき、「ぬばたまの」という枕詞の語源を知った。 (火箱游歩(船団の会 会務委員)) 2010年7月11日 夏の蝶(なつのちょう)
八ヶ岳山麓の町で、美しい花を見つけた。2mほどの木の、八方に伸びる梢の先に、房状の赤紫の花を付けている。初めて見る花に、声が上擦る。旅の紳士が「ブットレア」と仰った。と、その時エーッ?何ッと、又黄色い声が出てしまったのは、画集から抜け出てきたようなアゲハ蝶が2、3匹、ツーと来て花房に止ったからだ。続いて何種類ものアゲハがやって来きて、その花に止る。私は、町育ちで、常々ゆったりと蝶を見る自分でないことに気がつく。 (中林明美(船団の会 会務委員)) 2010年7月4日 胡瓜(きゅうり)
小学2年生の担任をしている。2年生では、生活科という教科があり、その学習の一環として、植木鉢や学年の畑で夏野菜を育てている。プチトマト、なすび、ピーマン、ししとう、オクラ、そしてきゅうり。先月の終わりぐらいから、ぼちぼち収穫が始まっている。子どもたちは、ひとりひとつ、好きな野菜の苗を植えていて、自分の植木鉢でとれた野菜は自分で持ち帰ることができる。連日大喜びで戦利品を持ち帰るきゅうりチームの子どもたち。それに続くのは、プチトマトチーム、ピーマンチーム、なすびチーム。ししとうチームもいい感じ。やきもきしているのは、まだまだこれからが育ち盛りのオクラチームだ。そういえばオクラは秋の季語。納得。 (中谷仁美(船団の会 会務委員)) 戻る |