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2018年10月7日

柿の秋(かきのあき)

 今はもうない生家の裏庭には大きな柿の古木があった。ある秋の日、二階から庭を見下ろすと実がたわわになった柿の木の下に見知らぬ人が膝を抱くように座っていた。学生帽をかぶっていたので最初は兄の友達かと思ったけど、どうみても中学生には見えない。洗濯物を取り込みに出た祖母が話しかけていたので下に降りて「あれ誰?」と聞いた。「誰やしらんけどなんか嫌になってあそこにおるんやろ」気にするでもなく祖母は台所へ消えた。しばらくして庭を見ると学生は消えていた。高い塀に囲われている庭への闖入者を放っておくなんて度胸だと思うが、幹にもたれる人を選ばない柿の古木同様、祖母にとっては警戒する相手ではなかったのだろう。
(三宅やよい、「船団の会」副代表)


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