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週刊:新季語拾遺(2001年1月〜2004年5月) バックナンバー
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2017年11月5日

兎(うさぎ)

 『村上かるた うさぎおいしーフランス人』という本がある。表紙には、白いうさぎがフランスの国旗を持って万歳しているイラスト。村上春樹・安西水丸の名コンビの本。「知的とは言いがたい種類のへんてこな何か」が全開の103編。
 ところで、半世紀以上前の通学していた小学校の校庭の一角にうさぎ小屋があった。5、6羽のうさぎが飼われ、生徒で分担、当番制で世話をしていた。ぱらぱらと小屋のあちこちに散らばる丸いちっちゃな糞の清掃、餌やりなどを生徒どうしで協力してやった。ある日、1羽のうさぎが動かなくなっていた。もふもふと餌を食べ、あちこち動き回っていたうさぎが動かなくなった。死ぬということは、まったく動かなくなる事だと、この時初めて知った。
 厳粛な死と村上かるたの本。その重さに違いはあるのだろうか。
(村上栄子、「船団の会」会務委員)


2017年10月29日

霜降(そうこう)

 二十四節気の「霜降」は「秋の露が霜に変わるころ。北海道では初霜や初氷が観測されます」と日本気象協会の説明にある。東京では10日ほど前から冷たい雨が続き体調を崩している人がやけに多い。季節はずれの台風が過ぎ、北海道では雪が降っていると聞く。このまま深まってゆく秋の紅葉を楽しむ間もなく真冬になりそうでコワイ。寒すぎる戸外と暑すぎる電車。足元の寒い職場。寄る年波に体温調節が出来なくなり持ち歩くもの、脱ぎ着するものがどんどん増えてゆく。ショールにひざ掛け、首周りにスカーフ、寒くなった用心にもう一枚カーディガン。ええい、めんどくさい!いっそ炬燵にもぐりこんで冬眠したい季節の訪れである。
(三宅やよい、「船団の会」副代表)


2017年10月22日

刈田(かりた)

 新米が店頭に並び始めた今日この頃。今年は親の介護の為に何度も新大阪―豊橋間を行き来したが、その都度車窓から、げんげ田、植田、青田…と季節ごとに変る田園風景を眺めてきた。そんな景色が広がった安城市あたりも、今は一部の稲田を残して、ほぼ全面刈田となっている。「かつて安城は日本のデンマークと呼ばれていた」という、地理の時間に習った言葉を思い出した。明治用水により、先進的開墾が行われた土地らしい。
 それから百年後の現在、この地はトヨタ自動車のお膝元となっている。刈田の地平線は、開拓地の象徴のように見える。
(藤井なお子、「船団の会」会務委員)


2017年10月15日

南天の実(なんてんのみ)

 1.3mほどに育った南天が、たわわに青い実をつけている。小鳥の糞に混じっていたらしく勝手にあちこち生えていたものを一本だけ残したもの。姉が小学6年生の時、「大きくして床 柱にする」といって南天を植えた。小学生の女の子が床柱の木を植えるという発想も変だが、どうも金閣寺の茶室「夕佳亭」の床柱をヒントにしたらしい。それから60年あまり高さは3 mほどに育ったが幹の周りは8pほど。「なかなか床柱には使えないなあ」と諦めてしまい実家の庭に植わったままだ。南天がおいそれと育つものではないことを知らなかったようだ。 因みに南天の葉は防腐剤になり、近所へのお裾分け、たとえば赤飯などの上にあしらった。お裾分けもしなくなった今の暮らしだが、せめて冬を彩る赤い実を楽しむことにしよう。
(陽山道子、「船団の会」会務委員)


2017年10月8日

月(つき)

 新聞に『徒然草』の広告が出ていた。そのなかに次のような一説の紹介があった。「悪口を言われたからと気にする必要はありません。なぜなら、悪口を言った人も言われた人(あなた)もすぐに死んでしまうのだから。」なかなかのインパクトを受けた。そうか、おれももうすぐ死んでしまうんだ。今のうちに行きたいところに行き、会いたい人に会い、飲みたいものを飲んでおこう、といったことしか浮かばないのが凡人の凡人たるところ。てなことを、趣味(?)の洗濯の中の一作業・「取り込み」をしながら、やや太りかけの半月を見て、考えておりました。
(早瀬淳一、「船団の会」会務委員)


2017年10月1日

吾亦紅(われもこう)

 バラ科の野草である。暗紅紫色の小花が細い茎の先に密生しているのが特徴。花は葉が変化した萼(がく)とよばれる部分である。山野に生えている姿は、野趣に富んでいる。源氏物語にも登場する。また芭蕉門の俳人路通(ろつう)の句では、
 しゃんとして千草の中や吾亦紅
がある。漂泊の生活をしていた路通の眼に吾亦紅がどのようにうつったのであろうか。いろいろな草にまじってしゃんとした立ち姿の吾亦紅になぐさめられ、また元気づけられたのではないか。
(田 彰子、「船団の会」会務委員)


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